2019 Fiscal Year Research-status Report
Wireless power transfer system for radiative noise reduction with combined power supply and transmission coil
Project/Area Number |
19K14959
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
日下 佳祐 長岡技術科学大学, 工学研究科, 助教 (40826202)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ワイヤレス給電 / 漏えい磁界 / 漏えい電界 / 非接触給電 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,電気自動車向けワイヤレス給電システムから発生する漏えい磁界を低減し,ワイヤレス給電システムの周辺に設置された電子機器や人体への影響が小さい,安心安全なワイヤレス給電システムを実現することを目的とするものである。これを実現するため,高温動作に適した高周波電源回路を開発し,ワイヤレス給電用コイルと一体化した上で,地中に埋設する。これにより,これまで電源とワイヤレス給電用コイル間の電力ケーブルから放射される漏えい磁界を大幅に低減することが可能となる。 本年度は特に,高温動作可能な高周波電源として,ワイヤレス給電に適用可能なマトリックスコンバータの開発を行った。マトリックスコンバータは三相交流から異なる周波数の三相交流へ電力を直接変換するため直流部を有さず,高温下でも動作可能である。しかしながら,マトリックスコンバータでは,スイッチのオン・オフを切り替える際に,転流と呼ばれる回路の破壊を防止するための動作が必要となる。本研究では,ワイヤレス給電に特化した転流方式として,入力側の電圧極性情報と出力側の電流情報の両者を用いる,新たな転流手法を開発し,2kWのプロトタイプを用いた実機検証を行った。 また,ワイヤレス給電の大容量化のため,漏えい磁界を低減可能な三相ワイヤレス給電システムの開発を行った。電力伝送を三相化することで,各相間で伝送電力の分担が可能となることに加え,漏えい磁界の低減効果が得られる。本システムの22kW試作機を開発し,漏えい磁界がCISPRが定める漏えい磁界ガイドライン以下に抑制可能であることを実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ワイヤレス給電システムとの一体化に適した,高周波出力の三相-三相マトリックスコンバータの試作及びその基本動作の検証を完了しており,予定通りの成果を得られていると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は試作した高周波電源システムの温度試験を実施し,ワイヤレス給電用コイルと高周波電源の一体化に向けた検討及び評価を進める。具体的には,高周波電源の温度試験や,一体化に向けた最適な放熱手法についての検討を実施していく。 また,CISPRが定める漏えい磁界ガイドラインが予算申請時よりも厳格化されることが現在検討されている。このガイドライン基準値によっては,伝送コイルから生じる漏えい磁界を現在よりも大幅に低減することが求められる可能性があり,それに向けた最適な高周波電源トポロジーの探索も同時に行う。
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