2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of high power density MHz power converter using ultra low-profile inductor
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19K14962
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
今岡 淳 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (60772019)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 低背化インダクタ / MHz級電力変換回路 / シミュレーション / 比透磁率 / 放熱性能 / 温度依存性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は化合物パワー半導体によるMHz級高周波駆動電力変換回路に用いる磁性材料モデリング、磁気部品設計、回路実装に関わる応用技術の検討を実施する。化合物パワー半導体によるMHz級のスイッチング周波数で高電力密度変換器を作成した場合、受動素子に対する発熱負担が大きくなり,中でもインダクタやトランスをはじめとする磁気部品で過度な損失・発熱が強いられる。これら問題を解決するため, 本研究はMHz駆動対応の磁気部品のモデリングや設計、発熱抑制技術、電力変換回路への実装技術の確立が目的である。当該研究のアプローチとしては磁性材料の選択から,これらの材料特性のモデリング, 回路への実装手段,シミュレーション, 実証的評価を総合的に実施するものである。 2020年度は様々な電動化された移動体への展開(自動車、航空機など)を想定し、過酷な温度環境にさらされた場合の磁性材料の温度依存性・変換器駆動時における電気的な特性への影響のモデリングについて検討を進めた。具体的には、電力変換用途で活用される軟磁性体は様々な金属組成・構造のものが存在するが、これら磁性材料の中でも高周波駆動時において損失が少ないフェライトを対象に、環境温度を-50℃から+150℃と変化させた場合の比透磁率の変化特性のモデリングを検討した。また、高周波駆動時におけるダウンサイジング効果や変換器駆動時における自己発熱(鉄損や銅損)の影響・モデリングについても併せて検討している。また、低背化構造へ向けたインダクタの基礎検討・モデリング・その応用についても俯瞰した立ち位置から調査検討をすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在の進捗については、低背化へ向けたインダクタの基盤技術や材料のモデリング、発熱・シミュレーションでの予見手法などについて体系的にまとめている。また、最終目的であるMHz駆動電力変換用超低背型磁気部品の材料から回路までの基盤技術構築については、おおむね順調に進展しているものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
MHzクラスでのスイッチング周波数で駆動させた場合における磁気部品のダウンサイジング効果については既に定量的な評価は実現できているが、自己発熱を含めた詳細なモデリングが必要であり、損失算定や熱回路との連携解析などが必要不可欠である。また低背化インダクタに向けては現状で確立できている点を更に昇華させて、論文誌投稿や産業応用へ向けて検討を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度は新型コロナウイルスの影響により実験機材購入による実験推進よりも理論的な検討を先に行ったため、使用額に差が生じている。2021年度は機材やソフトウェアを導入して当該研究を遂行していく予定である。
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