2020 Fiscal Year Research-status Report
省エネモータ家電を国際普及させる究極低コストインバータの電源高調波抑制トルク制御
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19K14975
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Research Institution | Tokyo Metropolitan College of Industrial Technology |
Principal Investigator |
阿部 晃大 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 助教 (20822894)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 電解コンデンサレスインバータ / 電源高調波 / 直流リンク電流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、省エネ性の高いモータ家電を国際普及させるために、力率改善(PFC)回路や嵩の大きい電解コンデンサ、重いリアクトルなどが一切無いシンプルで小型軽量な究極の低コストインバータを実現することである。 インバータの低コスト化への最大の課題は、規格により規制されている電源高調波を抑制するために付加回路が必要なことであり、これがインバータを搭載した省エネモータ家電の国際普及の弊害となっている。 本研究では、最も簡素な単相ー三相電力変換回路である電解コンデンサレスインバータにおいて、インバータから電源までの数式モデルを新しく構築し、電源も考慮したモータドライブシステムを確立する。そして、インバータ出力電圧と直流リンク電流の関係を利用し、電源電流を正弦波に制御する。また、モータ電流制御系を比例制御のみで構成することで、インバータ出力電圧の修正をモータ電流指令上で行い、電源電流制御とモータトルク制御の両立する。 提案する制御手法の理論の妥当性については実機実験で評価を行なった。実機実験により、電源電流を指令値通りに正弦波に制御しつつ、モータ電流制御においても指令値へ応答値が追従するように制御できており、電源電流制御とモータトルク制御の両立が達成できた。また、電源電流高調波解析結果より、世界で最も厳しい欧州のIEC電源高調波規制をクリアできていることも確認できた。これにより、提案システムでは高調波規制を満たすための付加回路を必要としないため、空調システムの大きなコスト削減が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、申請書の研究計画に記載した課題2つのうち、課題1の「電源高調波抑制トルク制御の実現」が達成できている。 しかし課題2「MT座標への応用と安定解析」に関しては、MT座標への拡張はできたものの、安定解析については当初見込んでいたほどの成果を得られていない。このため、進捗としては概ね順調に進展しているという状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
進捗状況に記載した通り、課題2「MT座標への応用と安定解析」に関して、安定解析へ発展させることができていない。 安定解析ができない場合でも、dq座標とMT座標それぞれで制御する場合の特徴や課題について詳細に評価することとする。
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Causes of Carryover |
投稿予定だった学会発表がcovid-19の影響により中止となり、学会登録費および旅費が不要になったため。
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