2020 Fiscal Year Research-status Report
電力融通のための負荷推定機能を有したスマートインバータの開発
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19K14977
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
南 政孝 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50707867)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 負荷推定 / 擬似ランダム信号 / 負荷切り替え / 三相インバータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、住宅用太陽光発電システムと搭載した需要家を研究対象とし、需要家と電力系統の双方からの電力融通を可能とする系統連系インバータの開発を目指している。需要家側の負荷変動による電圧変動や周波数変動を抑制するためには、「実時間における負荷の推定」と「負荷の状態に応じた電力調整」が必要となる。そのため、本研究では需要家からの電力融通に向け, 負荷推定機能を有する系統連系インバータを提案している。本年度は推定信号に擬似ランダム信号を使用し、住宅の様々な負荷を想定し、負荷切り換わり時の推定を検討した。さらに対象の大容量化を想定して、単相から三相へのシステム構成の構築を実施している。 本年度の研究実績としては、単相システムにおける負荷を切り替えた際の推定が挙げられる。さらに、大容量化を想定した三相システムにおける提案手法の適用が可能であることを数値的に立証した。 具体的な実績としては、査読付原著論文:南 政孝・寺口 直希「負荷切り換えに対応可能な系統連系インバータによる擬似ランダム信号を用いた負荷推定」、電気学会論文誌C、Vol. 141, No. 1, pp. 31-36, (2021)の掲載、学会発表:寺口 直希・南 政孝「擬似ランダム信号を用いた系統連系インバータによる三相負荷の推定に関する数値的検討」、電気学会 産業応用部門 半導体電力変換/家電・民生/自動車合同研究会(SPC/HCA/VT), SPC-20-227, HCA-20-077, VT-20-082, 2020年12月11日が挙げられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
まず大きな主原因として、新型コロナウィルスの影響により、実機製作に取り掛かる時間が制約されたために、現在までの進捗状況が計画よりもやや遅れている。 次に、インバータ駆動には、系統連系・電流と電圧の目標値追従など数多くの制御が必要である。現在、目標値を追従させるデッドビート制御はアナログ回路を用いて実装している。本研究では「実時間における負荷の推定」を目的としているため、インバータ駆動に必要な制御の制御器への実装が必要となる。また、複数の住宅を想定した系統連系系統システムや系統連系インバータの三相化による大容量化を検討しており、複数の制御回路が必要となる。現在のアナログ回路では、回路製作および調整に時間がかかってしまうため、それらの点を踏まえても、制御回路の制御器への実装は必要不可欠である。この制御器として、現在はFPGA(Field-Programmable Gate Array)を使用しているが、使用するプログラミング言語が非常に難解であるため、制御器のプログラミング開発に時間がかかっている。 以上のことから、当該年度における本研究課題の進捗状況がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、系統連系インバータの回路構成と制御構成をまとめ、推定信号として擬似ランダム信号を用いた系統連系インバータによる負荷推定の実機検証(純抵抗負荷、誘導性負荷、変動負荷など)が完了している。本研究では系統連系インバータの出力電流電圧から負荷を推定している。しかしながら、現在は出力電流電圧をデジタルオシロスコープで測定し、そのデータを用いて演算を実施しており、これらのプロセスを実時間で実現することが課題である。現在はインバータを駆動する際の系統連系や電流電圧の目標値追従などの制御はアナログ回路を用いて行なっているが、推定プロセスの実時間化に伴い、インバータ駆動の制御プロセスの制御器への実装が必要となる。そのため、制御器としてFPGAを使用し、実時間に対する負荷推定に関して実機検証する。 また、複数の住宅との系統連系を想定した負荷推定や、系統連系インバータを三相化による大容量化をさせた場合の負荷推定を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
進捗状況で述べた通り、新型コロナウィルスの影響により、実機製作の計画が予定よりも遅れてしまい、当該年度の後半まで予定していた実験および研究打ち合わせなどがずれてしまっている。そのため、当初の研究計画を次年度に繰り下げて変更せざるを得なかったため次年度使用額が生じた。
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Research Products
(2 results)