2021 Fiscal Year Research-status Report
縁端部を考慮したメタ表面反射板を用いたLOS-MIMOの小型構成に関する研究
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19K14986
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
久世 竜司 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 助教 (40808929)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メタ表面 / Meta-surface / 周期構造 / 有限周期構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、アンテナ周囲の構造物の工夫による通信容量向上手法の提案と効果の明確化である。一般的なメタ表面の縁端では背面板の影響が強く、縁端付近で十分な電磁波反射の制御が行えず、レイトレースを用いた向上効果の見込みほど十分な性能が得られないことが課題であった。 そのため、金属背面板の端にノッチやスロットを設ける方法を提案した。 まず、一般的なメタ表面の半無限構造の解析において、電界方向および磁界方向、いずれの場合も従来の構造では縁端の影響が生じることを明らかにした。提案手法により、電界・磁界方向にはそれぞれノッチとスロットが効果的であることを明らかにした。また、ノッチとスロットの配置位置を工夫し、電界および磁界同時に補償効果を得られる構造を明らかにした。縁端の影響を受けた反射位相の解析結果と、同構造を試作し測定を行った結果、よい一致が得られることを明らかにし、解析手法の有効性を確認した。加えて、提案手法のメタ表面の背面板に設けた構造の試作を行い、こちらについても解析結果と同様に所望の反射位相に補償できていることを明らかにした。 以上の成果を2022年電子通信情報学会総合大会で発表した。また、2022年7月に開催予定の、IEEE International Symposium on Antennas & Propagation 2022(査読付き国際会議)に投稿し採録された。 今回の提案は、背面板を有するメタ表面であればほとんどの構造に対して適用可能な汎用性の高い手法である。また、反射位相制御精度を高めることはもちろんのこと、回折波の制御にもつながる技術である。さらに、回折波を含めた電波伝搬制御にも寄与する可能性がある。不要な回折を抑制し、所望方向以外への電磁波の拡散を防ぐ効果も期待できる。 電波法に則った安全な技術を実現する上でも応用の可能性が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
測定において、設備の到着の遅延および測定結果を得るのに、予定を大幅に超えた時間を必要としたため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在得られた成果は、当初目的の直接的な内容では無いが、問題を解決する上で必要かつ重要な議論であるため論文の執筆を行っている段階である。こちらを仕上げることに専念しつつ、当初試作時の構に対して今回成果の方法で改善を行い、通信量向上効果の実験による評価を行う。また、この結果についても論文化し投稿する。
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Causes of Carryover |
論文執筆に遅れが生じているため。 残りの予算は論文投稿に関わる支出に利用する。
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Research Products
(2 results)