2021 Fiscal Year Annual Research Report
高速周波数ホッピングのテンソル遅延検波による低干渉な無線秘匿通信
Project/Area Number |
19K14987
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
石川 直樹 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (00801713)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 無線通信 / 物理層セキュリティ / カオス理論 / 秘密容量 / 大規模アンテナアレイ / 差動符号化 / インデックス変調 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の成果は3編の論文としてIEEE国際誌に投稿し、すべて採録判定に至っている。以下に概要を記す。 [成果1] 時変性ユニタリ行列に基づく物理層セキュリティ方式の提案 [成果2] [成果1]の達成性能限界解析 [成果3] インデックス選択問題の量子加速検証 [成果1]ではカオス理論に基づく時変性ユニタリ行列という新しいコンセプトを提案し、本研究課題で培ってきた非正方差動符号化に適用した。また、提案法の攻撃アルゴリズムを考案し、秘密容量の観点で評価した。共有した秘密鍵にごくわずかな誤りがある場合、正規受信者はカオス系列による適応補正法が可能となる一方で、第三者は位相不確定性のために復号できない特性を明らかにした。[成果2]では、[成果1]で提案した通信方式の性能限界を解析した。具体的には、一般化レイリーフェージングを仮定し、積率母関数を用いて平均ビット誤り率の上界と下界を導出した。[成果3]では、本研究課題における耐量子物理層セキュリティの調査で得た知見を活用し、インデックス選択問題をグローバー適応探索により求解するための定式化法二つを提案した。それぞれについて、必要な量子ビット数、および、QUBO行列の非ゼロ成分数(量子ゲート数と比例関係にある)を代数的に解析した。両者ともに量子回路の複雑さや実現可能性と関連する重要な指標である。シミュレーションにより、理論上は二次加速を達成できることが明らかになった。
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Research Products
(7 results)