2022 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Fundamental Limits of Lossy Compression Based on Distortion Ball Aiming for Practical Code Construction
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19K14989
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
齋藤 翔太 群馬大学, 情報学部, 准教授 (60822145)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歪み球 / 情報理論 / シャノン理論 / データ圧縮 / 歪みを許した情報源符号化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の研究実績は以下の通りである。 1)歪みを許容した情報源符号化において、符号語長のキュムラント母関数という評価基準があり、これは平均符号語長や最大符号語長を一般化した概念である。歪みを超過する確率を一定値以下にしたもとでの符号語長のキュムラント母関数の最小値を導出する結果を得ていたが、証明中に一部不備(反例が存在する)ことがわかり、その誤りを修正したうえで、論文誌に投稿していた。2022年度は、この査読をパスし、研究成果が情報理論のトップジャーナルであるIEEE Transactions on Information Theoryに掲載されることが決定した。 2)歪みを許容した情報源符号化の特別な場合、すなわち、もとのデータと復元後のデータの間の違い(歪み)がゼロであるような情報源符号化の研究も行った。このような情報源符号化において、代表的な符号のひとつにベイズ符号がある。情報源系列が文脈木情報源から発生している状況に対する逐次型情報源符号化の最大冗長度の下界を、ベイズ符号の理論研究の成果を応用して導出した。この研究成果は、電子情報通信学会 情報理論研究会(群馬県前橋市)にて発表した。また、効率的なベイズ符号のアルゴリズム構築の際に重要となる根付き木の事前分布の性質についても研究を行い、研究成果は情報理論のトップカンファレンスであるIEEE International Symposium on Information Theory(ヘルシンキ、フィンランド)にて発表した。
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