2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of In-vehicle high reliability medical sensor system using ultra wideband impulse radio
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19K14991
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
李 鯤 香川大学, 創造工学部, 助教 (10806483)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 広帯域インパルス / 高信頼性通信 / 電磁界解析 / 伝搬モデル / 信号誤り率 / OTA評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、超広帯域インパルス無線技術(UWB-IR)を用い,運転者緊急サービスを提供できる車内高信頼性医療センサシステムを開発することである。これを実現するための課題としては、(1)広帯域バルス信号を車筐体内に伝搬する際に、人体組織の影響を含めた電波伝搬特性のモデリング化方法、(2)伝搬通信路のモデルに基づいた無線通信品位(信号ビット誤り率)の解析および実測による評価手法の開発。2020年度では,1)について研究を遂行しながら,更なる大規模数値計算の高効率化および高速化を目指して、人体組織の周波数分散特性を考慮できる解析アルゴリズムを改良した。開発したアルゴリズムの妥当性を検討するために,UWB無線通信における3.1-10.6GHzの周波数帯では、広帯域パルスを誘電体球モデルに入射時の周囲電界を算出し,散乱界の理論値と比較した.その結果,新たに開発したアルゴリズムによる解析結果と理論値が一致したため,解析手法の妥当性を確認することができた.次に,開発した周波数依存型時間領域有限差分(FDTD)法を用いて詳細な数値人体モデル近傍における広帯域パルス電磁界の伝搬解析を行った。入力波形及び受信電界の時間波形を用いて,伝達特性を求めることによって,UWB 到来波信号の電力遅延特性を導出した。具体的には,車内アクセスポイントから人体頭部に装着したバイタルセンサへUWB 信号の送信を模擬し,遅延特性に対する到来波角度および偏波の依存性やシードバックの反射による影響などを定量的評価でき,今後の大規模電磁界解析に基づいた車内UWBチャンネルモデルの開発に必要な情報を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に沿って研究を進めており、2020年度は概ね研究成果を得ることができた。UWBパルス電磁界の高精度シミュレーションを行い、電力遅延プロファイルの統計処理によって、人体影響を考慮した車内パルス電磁界の基本的な特性を確認でき,得られた研究成果は学会で口頭発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は,車筐体や複数の数値人体モデルなどを考慮した大規模電磁界解析を行うため,開発したアルゴリズムの適応拡張を予定している。また,UWB周波数帯におけるセンサアンテナの開発設計を進め,車内伝搬モデルに基づいた伝送信号のビット誤り率の評価方法について検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度の計画として、実証実験において必要な高周波物品の購入を計画している。得られた研究成果を学会で口頭発表するための参加費の拠出や論文投稿も予定している。
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