2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of sensor tag using millimeter wave band chipless RFID
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19K14993
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute |
Principal Investigator |
渡部 雄太 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 開発本部開発第一部電気電子技術グループ, 副主任研究員 (90707134)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ミリ波 / チップレスRFIDタグ / 電磁界解析 / 最適化 / FDTD法 / 遺伝的アルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
ミリ波帯チップレスRFIDタグとして、反射型と透過型の2種類のタグ形状の最適化を行った。反射型のタグは相似形状の複数の散乱体から構成されており、散乱体の大きさによる共振周波数をもつ電磁波を反射する。一方、透過型のタグは金属板に相似形状のスリットを設けた構造をしており、スリットの形状による共振周波数の電磁波のみ透過し、それ以外の周波数の電磁波は反射する。 FDTD法によりチップレスRFIDタグのレーダ反射断面積(RCS:Radar Cross Section)を求め、マイクロ遺伝的アルゴリズムによりミリ波帯の所望の共振周波数をもつように反射型および透過型チップレスタグの形状の最適化を行った。その結果、反射型および透過型チップレスRFIDタグともにミリ波帯の所望の共振周波数をもつ形状を得ることができることが分かった。また、最適化タグのRCSは非常に小さく、リーダとタグ間の通信距離を確保するために、同じ大きさの散乱体およびスリットを複数並べる必要があることが分かった。しかし、散乱体の近傍にほかの散乱体が存在すると、共振周波数が変化するため、FDTD法により散乱体の距離と共振周波数の変化の依存性を明らかにした。 また、複数の散乱体を近傍に設置した場合の共振周波数の変化を利用し、ひずみセンサを提案した。C-like型の散乱体を近傍に設置し、それぞれの散乱体間の距離を0.1 mmから1.0 mmまで変えた場合、共振周波数は50.7 GHzから48.5 GHzまで変化することが分かり、ひずみセンサとして利用できることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定されている本年度の研究計画はミリ波帯チップレスRFIDタグの形状決定および特性測定である。本年度はミリ波帯チップレスRFIDタグの形状として反射型と透過型の2種類を提案し、その形状をFDTD法およびマイクロ遺伝的アルゴリズムを用いて最適化した。また、タグを複数設置した場合に発生する共振周波数の変化について明らかにし、RCSが確保できることが分かった。さらにその共振周波数の変化をひずみセンサに利用できることを明らかにした。このことから、進捗状況としてはおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
散乱体を複数設置することによる共振周波数の変化がひずみセンサとして利用できることが確認できたため、形状最適化により形状変化に対して共振周波数の変化が敏感な形状の探索を行う。また、温度による比誘電率の変化などを用いた温度センサタグの形状についての検討を行い、その後最適化を実施する。一方、チップレスタグとしては共振周波数の変化は望ましくないため、共振周波数が形状変化に対して頑健な形状をロバスト最適化を用いて探索する。
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Causes of Carryover |
複数の部品を同時に購入したことにより割引が生じた。次年度使用額分については高周波部品の購入に使用する。
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