2019 Fiscal Year Research-status Report
Revealing the dynamics of a bubble in acoustic cavitation
Project/Area Number |
19K15000
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
黒山 喬允 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (40781737)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 音響キャビテーション / 強力超音波 / 気泡ダイナミクス / レーザ散乱 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,超音波によって生じる多数の音響キャビテーション気泡のうち一つ一つがどのように体積振動しているかを明らかにすることである.このため,まず気泡の体積振動を計測するための新たな光学的計測手法を確立する.提案手法では,気泡にレーザビームを照射し,生じた散乱光をレンズとピンホールを介して光検出器で計測する.このとき,散乱光強度は概ね気泡直径の2乗に比例するため,散乱光強度から気泡の体積振動を明らかにすることができる.また,レーザビームとピンホールの直径を調整することで,小さな領域(測定体積)で生じた散乱光のみを検出することができる.この領域の体積を気泡が時間平均的に1個程度存在するように設定することで,気泡一つ一つの体積振動を計測する. 2019年度は提案手法の光学系構築と計測プログラムの作成を行い,提案手法の検証実験を行なった.まず,散乱光強度と気泡直径の関係および光学系の特性を数値解析によって明らかにした.また,予想される気泡の数密度から条件を定め,光学系を構築した.同時に,光検出器出力信号を高いサンプリング周波数と分解能で取得できるアナログ-ディジタル変換器を導入し,計測と解析のためのプログラムを作成した.本計測系を用い超音波ホーン下に生じた気泡の振動態様を計測した結果,測定体積を気泡が通過する際に生じる間欠的な散乱光が計測された.また,散乱光強度が超音波の周期で振動を繰り返しており,その振動波形から求めた気泡直径変化は音響キャビテーション特有のものと類似していることを確認した.また,散乱光が検出される回数は入射超音波の音圧振幅を増加させることで増加することを確認した.これは音圧振幅の増加にともなって気泡数密度が増加するためであり,妥当な結果であると考えている.以上から,本計測系によって単一の気泡の振動を計測可能であると考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず,数値解析により提案手法に用いる光学系の特性を明らかにし,光学系とアナログ-ディジタル変換器,計算機からなる計測系を構築し,計測に必要なプログラムを作成した.次に,提案手法の妥当性を検証するために実験を行い,気泡振動に伴う散乱光強度の時間変化を計測可能であることを示した.加えて計測結果の精度を高めるために照射するレーザの強度を増加させるとともに,光検出器として用いているアヴァランシェフォトダイオードモジュールのゲインを調整して,光検出器出力信号の信号対雑音比を改善した.現在は,光検出器によって検出される散乱光が,真に単一の気泡によって生じたものかを検証する実験を進めている.同時に,散乱光強度変化に基づき気泡振動を求め,振動態様ごとにクラスタリングするプログラムの作成を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
レーザ光軸に対する光検出器や集光学系の配置を最適化することでさらに信号対雑音比を改善する.信号対雑音比を改善した光検出器出力信号を用いて,作成した解析のためのプログラムの検証と改善を行う.また,気泡数密度の定量評価手法を考案し,まず粒子の数密度が既知のガラスビーズ分散液を測定して数密度計測方の妥当性を検証する.以上によって,2020年度中に,気泡振動態様と数密度を定量的に評価可能な手法を確立する.2020年度以降は音響キャビテーション気泡の発生条件を変化させながら,確立した提案手法によって気泡振動を計測し,評価することで研究目標を達成する.
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Research Products
(8 results)