2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K15003
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
夏 鵬 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (80768458)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 位相シフト / 3次元計測 / デジタルホログラフィ |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では単一カメラのみで位相シフト量の校正が可能な高精度位相シフトデジタルホログラフィ計測システムを開発する。初年度、解像度2448 X 2048のCMOSカメラと関連光学部品を導入し、空間分割記録を利用して単一カメラによる一回の撮影で校正用の規則性の縞模様と物体情報が含まれたホログラムを同時に記録する計測システムを試作した。 提案システムは空間分割記録により単一イメージセンサに校正光と物体光を同時に記録するため、まず物体光の照射エリアを制御しやすい透過型の物体を計測した。参照光の光路長をシフトさせる装置として、分解能5nmのピエゾ素子を利用した。しかしながら、ピエゾ素子の応答が非線形であり、正確に位相シフトできない場合があった。物体像の再生用のホログラムと校正用の縞模様の位相シフト量は参照光の光路長のみに依存するため、校正用の規則性の縞模様からサンプリングモアレ法などのような画像処理手法により位相シフト量を厳密に算出することを確認した。また、試作システムを顕微鏡分野へ展開し、透過型テストチャートを用いてシステムの性能を評価した上で、植物(玉ねぎ)細胞の高精度3次元形状計測に成功した。従来技術と比較して、本システムは位相シフト誤差に起因する残留共役像成分を完全に除去でき、高精度な計測を実現した。 位相シフト計算に必要なホログラムの枚数を減らすために、2ステップと3ステップ計算アルゴリズムを本システムへ適用することを計算機シミュレーションで確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に、提案した単一カメラを用いた校正型位相シフトデジタルホログラフィ計測システムの試作を完成した。試作システムを顕微鏡分野へ展開し、透過型テストチャートを用いてシステムの性能を評価した上で、植物(玉ねぎ)細胞の高精度3次元形状計測に成功した。以上の成果が得られていることにより、本研究課題はおおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
提案システムは空間分割記録により単一イメージセンサに校正光と物体光を同時に記録する。反射型物体を計測する場合は、物体からの散乱光を校正エリアに入射するため、校正光と物体光と参照光の強度比を調整することが必要である。今後、反射型物体を仮定し、校正光と物体光と参照光の最適強度比を計算機シミュレーションで確認する。さらに、反射型物体の変形の動的計測を行う。
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