2019 Fiscal Year Research-status Report
Fault tolerant control of distributed cooperative systems with dithering methods
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19K15011
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
森田 亮介 岐阜大学, 工学部, 助教 (00713801)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 分散協調システム / ディザリング / フォールトトレラント制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,複数のサブシステムがネットワークを構成するマルチエージェントシステムの制御に対し,本来の信号に意図的にノイズのような信号を付加するディザリング技術を用いることで,システムを構成要素が互いに異常を監視・検出するための理論の構築を行なうことを目的としている.また,異常発生下においても,そのことが判別でき,かつ,安全にシステムを稼働し続けられるための制御方法について考える. 本年度では,マルチエージェントシステムにおいて,subtractive dither法と呼ばれる方法を援用し,ディザ信号と呼ばれる意図的に付加される信号をエージェントの識別キーとして利用した方法について詳細な解析を行なった.その結果,システムに含まれるエージェントが共通の識別キーを有する場合に比べ,一つのエージェントのみが異なる識別キーも持っていた場合,システム全体の収束性が悪くなることを示した.具体的には,異なる識別キーを有するエージェントが周囲のエージェントとどのように接続されているかを示す「部分グラフ」によって,定量的に評価できることを示した. また,新たなディザリングの方法として,ディザ信号を高周波ノイズで構成されるブルーノイズと呼ばれる信号とし,ローパス特性のある制御対象に対して適用した場合の効果について調査した.理論的な保証を与えることはまだできてはいないが,フィードバック制御システムにおいて,ある程度の効果があることが確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マルチエージェントシステムに対し,ディザ信号を識別キーとして利用する場合の解析結果については,本年度で得られた結果を原著論文として整理するにあたり,一部結果について修正が必要であることが判明したため.また,ブルーノイズを用いる方法についても,理論的な解析の見通しがまだ立っていないため.
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Strategy for Future Research Activity |
これまで得られた理論的な結果については,数学的記述が非常に複雑になっているため,ある程度見通しのよい結果へ修正を行い,今後のフォールトトレラント制御へつなげられるようにしていきたい. また,制御系の周波数応答性能に着目したアプローチについては,これまでに実施したブルーノイズを用いる方法に限らず,様々な既存の方法が援用できないかどうかを検証し,理論的な裏付けを行なう予定である. これらと平行して,実機を用いたデモンストレーションの環境構築を進めていく予定である.
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