2020 Fiscal Year Research-status Report
Fault tolerant control of distributed cooperative systems with dithering methods
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19K15011
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
森田 亮介 岐阜大学, 工学部, 助教 (00713801)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ディザリング / 量子化制御 / ネットワークドシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ネットワークドシステムの制御において,意図的にノイズを付加するディザリング技術を応用し,システムの異常検出,および異常発生下においても,安全にシステムを稼働し続けられるためのフォールトトレラント制御の実現を目標としている. 2020年度では,ラジオ・テレビジョン放送で用いられている周波数変調に着目した.フィードバック制御に対して,周波数変調を用いて制御信号を伝送したときの制御性能について,考察を行なった.数値例レベルではあるものの,複数の制御信号が混合されていても,特定の制御信号を取り出して,フィードバック制御を実現できることを確認した.このことは,制御信号の伝送中にノイズが混入しても影響が少なく,それが悪意ある攻撃であったとしても選別できる可能性を示している. また,意図的に加えるノイズである,ディザ信号の生成法についての検討を行なった.入力が離散値に制限された制御系において,連続値から離散値へ変換する量子化の方法に対し,あらかじめディザ信号の確率分布を決定せずに,逐次的にその各瞬間において,最も量子化誤差が小さくなるような入力信号を決定する方法の数値シミュレーションを行なった.その結果得られたディザ信号に相当する信号を解析し,その性質について考察を行なったところ,前年度に検討したブルーノイズとなることが確認された.しかしながら,必ずしもブルーノイズが最適となるとは限らない例も確認されたため,さらなる検討が必要である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度得られた結果について,原著論文として執筆するにあたり一部結果を修正する必要があったが,本年度中の修正には至らなかったため.その一方で,本年度に新たに実施した内容については,ある程度の今後の見通しが立てられる結果が得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度に得られたマルチエージェントシステムにおける相互作用の解析については,その結果の複雑さのため,既に得られている結果の整理に集中する.今後は,2020年度に得られた結果の理論的裏付けを中心に進めるとともに,フォールトトレラント制御への応用についての検討を行う. また,実機を用いたデモンストレーションについて,引き続き環境構築を行い,2021年度中に実験を行う予定である.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の影響により,学会発表がオンライン化されたため.これらの費用については,当初予定していた実験装置が販売中止になっているため,代替品の購入および,論文投稿費に充てる予定である.
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