2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K15016
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
泉 晋作 岡山県立大学, 情報工学部, 助教 (10757967)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ネットワークシステム / 分散アルゴリズム / 空間フィルタリング / センサネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ネットワークシステム(複数のサブシステムがネットワークで結ばれたもの)に対する「分散型空間フィルタリング」技術の開発を目的としている.分散型空間フィルタリングとは,個々のサブシステムに信号値が与えられたとき,各サブシステムが近傍のものと情報を交換し,所望の空間周波数特性をもつ信号値を得るというものである.このような技術が実現されれば,対象とする信号の空間的な性質を活用したフィルタリングが効率的に行えるようになる. 本年度は,前年度に開発した,マルチホップ通信に基づくフィルタリングアルゴリズムを理論的に解析した.具体的には,開発したアルゴリズムによって実現可能な空間フィルタのクラスを明らかにし,従来のアルゴリズムに比べて多くの種類のフィルタが実現できることを証明した.また,最終年度として研究の総括を行い,未発表の成果を論文としてまとめて学術雑誌へ投稿した. 上記の成果を含む,研究期間全体で得られた主な成果は以下のとおりである.1. ネットワークシステムの合意制御(全サブシステムの状態量を一致させるような制御)によって,あるクラスの空間フィルタが実現できることを示した.2. 1.の結果に基づき,合意制御に基づくフィルタリングアルゴリズムを提案し,それによって実現可能な空間フィルタのクラスを明らかにするとともに,指定した特性をもつフィルタを実現するアルゴリズムのパラメータの決定法を与えた.3. 2.で得られたフィルタリングアルゴリズムをマルチホップ通信に基づくものへ拡張し,拡張したアルゴリズムがより多くの種類の空間フィルタを実現できることを示した.4. センサネットワークを用いた実機実験により,提案したフィルタリングアルゴリズムの有効性を示した.
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