2021 Fiscal Year Research-status Report
周期運動に対するパワーアシスト制御:ヒトを含めた人間-機械システム全体の最適化
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19K15018
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
畑田 和良 福岡大学, 工学部, 助教 (10709356)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | パワーアシスト制御 / 周期運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は主として, ヒトの姿勢を含めた自転車ペダリング運動に対するアシストの最適化に用いる実験機の動作確認ならびに駆動システムのパラメータ推定をおこなった. 具体的には, 駆動システムの負荷が変動する状態の下でのペダリングトルク・クランク角・ホイール角の測定をおこない, 慣性モーメントや粘性摩擦係数の推定をおこなった. また, これと同時に, クランク角に対するペダリングトルクの変動を可視化している. これらの結果をもとに, パラメータが変動する自転車の駆動システムに対して, 適応制御の適用によってこの変動を許容する高エネルギ効率のパワーアシストの実現を検討した. また, 自転車駆動システムのパラメータ変動を許容するアシスト制御の派生として, 魚眼レンズを装着したカメラを用いて撮影した歪みのある画像情報に基づく倒立振子の安定化制御についても研究している. ある範囲内の歪みを許容する場合の倒立振子の安定化を実現する制御システムの構築法を線形システム理論の枠組みで提案し, 実機により検証した. この成果は, 国際論文誌 (IEEE Transactions on Industrial Electronics) に掲載されることが決定している. また, 本研究の予備的な検証結果を国内会議 (第64回自動制御連合講演会) にて発表した. 現在は, 許容できる歪みの範囲を拡大するために, 非線形システム理論の枠組みでの制御しすてむの構築を検討している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要で述べた通り, 派生した研究の成果を国際論文誌ならびに国内会議で発表している. しかしながら, 主な研究課題である自転車ペダリング運動に対する高効率アシストの実現については, 研究が遅れている. これは, 研究開始にあたっての研究倫理審査の承認取得に時間を要したこと, コロナ禍により研究活動の時間を削らざるを得なかったこと, 物流の遅延により実機の製作が遅れたことが理由である. 現在は実験システムのパラメータを用いた数値シミュレーションが可能な状態であることから, 「やや遅れている。」を選択した.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに取得しているデータを用いて自転車駆動システムのモデルの変動を許容するアシスト法を速やかに数値シミュレーションにより検証した後に, 実機によって検証する. その後は, 自転車駆動システムのモデルだけでなく, ペダリングトルクの周期と振幅の変動も同時に許容するアシスト法の構築を予定している.
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Causes of Carryover |
(理由) コロナ禍による研究の遅延ならびに物流の遅延の影響により, 当初の予定で予算の執行ができなかったことが次年度使用額が生じた理由である. (使用計画) 物流の遅延を考慮し, 早期に実験機の機能追加に必要な消耗品の発注を予定している. また, 論文誌の投稿に必要な経費や学術会議の参加費での使用を計画している.
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