2020 Fiscal Year Annual Research Report
2DHGダイヤモンドNano-Fin構造における量子伝導機構の解明とFET応用
Project/Area Number |
19K15030
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
蔭浦 泰資 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, NIMSポスドク研究員 (20801202)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ダイヤモンド / 微細加工 / エッチング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、水素終端ダイヤモンド表面に誘起される二次元正孔ガス(2DHG)層を利用したダイヤモンドNano-Fin構造の量子的な電気伝導機構の探索・解明することで、高電流密度・高移動度を有する2DHGダイヤモンドNano-FinFET(電界効果トランジスタ)の実現を当初目的とした。 Nano-Finの実現には、ダイヤモンドを垂直かつ微細にエッチングする手法が必要となる。昨年度に取り組んだMgO薄膜をマスクとした高密度酸素プラズマICP-RIE手法では、高いS/N比が得られる反面、ダイヤモンドを垂直にエッチングすることが難しくテーパー角が形成されてしまう問題が生じた。そこで今年度は、高密度酸素プラズマICP-RIEによりFin構造の概形を形成した後に、低密度マイクロ波水素プラズマによる低速エッチングによって所望の面方位をFin側面へ出現させ、垂直面の形成とFin幅の微細化を両立させる手法を開発した。c軸に対して同じ面方位の単結晶ダイヤモンドであっても、側面へ露出させる面方位が異なると水素プラズマエッチングにより垂直面以外の斜面が出現することが明らかとなった。よって、Nano-Finの形成には、エッチング条件だけでなく、露出させる側面の面方位も制御する必要性があるといえる。 ダイヤモンドFETのパワーデバイス応用に関する研究として、h-BN(六方晶窒素ホウ素)をゲート絶縁膜とした水素終端ダイヤモンドFETの特性向上に取り組んだ。
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