2021 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of integrated inundation risk assessment method using fine-resolution wave surge coupled model
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19K15098
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中村 亮太 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (90805938)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 低気圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,東京湾における将来の温暖化後を想定した台風・高潮の数値計算を実施することで高潮災害事例の数値計算ケースを増加させた.更に,実スケールと水理実験スケールのコンテナ漂流モデルを高度化させることを目的とした. 東京湾の将来高潮の数値計算では,最新の極端温暖化シナリオであるSSP585シナリオを用いて,擬似温暖化実験を行った.千曲川の氾濫等大規模な水災害を引き起こした2019年台風19号とそれに伴う東京湾の高潮の数値計算を行った.将来の温暖化場を想定すると台風の強度の増加に伴って,高潮の高さは東京湾の湾奥において2m近くまで上昇した.この高潮は,想定されている防潮堤の高さ以下であるため,高解像な浸水計算は行わなかったが,将来には東京湾において高潮浸水被害の危険度が高まることが想定される結果となった.このように,台風及び高潮波浪の数値計算による危険度評価を温暖化後を想定して発展的に展開した.この研究成果は2022年度土木学会論文集B3(海洋開発)78巻への登載が決定している. 実スケールのコンテナの漂流計算では,地上風速のランダム性をワイブル分布を用いて考慮することにより,漂流したコンテナの漂着位置の散らばり度合いが現地調査で見られた傾向へより近づくことが,2018年台風21号の大阪湾の高潮浸水被害によるコンテナ漂流の計算結果より分かった.そのため,秒スケールの風場の変化がコンテナの漂流に影響している可能性が指摘できる.そして,水理実験スケールのコンテナ漂流計算では,カナダの大学と共同して行った.ここではエプロン上を漂流するコンテナの平面方向への移動や回転という物理現象を水理実験結果と比較して詳細に分析した.実験スケールの研究結果は2022年ICCE(シドニー)に概要を投稿中である.また,当該研究分野に直接的・間接的に関連する論文を執筆したことも付記しておく.
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Research Products
(15 results)