Spatial economic modeling with endogenous agglomeration: A stochastic learning dynamics approach

2022 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 19K15108
• Research Institution: Kyoto University
• Principal Investigator: 大澤 実 京都大学, 経済研究所, 助教 (50793709)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: 空間経済学 / 都市経済学 / 進化ゲーム理論 / ポテンシャルゲーム / 複数均衡

Outline of Annual Research Achievements

本研究課題の目的は，研究代表者がこれまで進化ゲーム理論分野の確率的進化ダイナミクスの理論にもとづき開発してきた，集積経済モデルの数理構造・理論特性を統一的に理解するための汎用的方法論を拡張し，モデル群を体系化することである．2022年度は，前年度に引き続き，主に複数の輸送費用構造を持つモデル，および技術革新を考慮したモデルを分析し，理論の体系化を進めた．

1) 複数の輸送費用構造・複数の移動主体を持つモデル．2021年度に引き続き，単一種類の主体及び複数の輸送費用構造をもつ地域経済モデルに関する研究を行い，モデルの集積特性を明らかにした．更に，複数主体・単一空間スケールモデルにおける集積パターンと都市規模分布の冪乗則との関係を明らかにした．経済活動の多極的な集積パターンは，単一の輸送費用構造を持つ単一主体モデルでは「大域的」分散力の存在下でのみ生ずることが研究代表者による従来研究によってわかっている．ここでは，このモデルを複数主体（複数産業）のモデルに拡張した場合に，空間的なフラクタル構造が創発し，都市規模分布が対数線形関係に従う（冪乗則）ことを明らかにした．冪乗則を示す均衡が確率的進化ダイナミクスのもとで安定となるかは今後の課題として残された．

2) 技術革新を考慮したモデル．単一種類の主体を考慮した地域経済学モデルにおいて，技術革新が生じ得る場合の集積挙動に関する分析を行った．技術革新の基礎づけの一つとして知識の空間的波及効果が挙げられ，2021年度の研究では知識波及の存在が地域スケールでは分散力として働くことを明らかにしている．2022年度は，都市スケールのモデルとの同型性を明らかにし，特に知識波及を念頭に置いた集積の外部性を考慮したFujita & Ogawaモデルの集積特性との比較を行うことで地域スケールモデル・都市スケールモデルの体系化を進めた．

Research Products

• [Int'l Joint Research] Catolica Porto Business School(ポルトガル)
  • Country Name: PORTUGAL
  • Counterpart Institution: Catolica Porto Business School
• [Presentation] Potential games and urban spatial structure (2022)
  • Author(s): Minoru Osawa
  • Organizer: 2nd Porto Workshop on Economic Geography, Regional Development, and Migrations
  • Int'l Joint Research
• [Remarks] Origin of power laws and their fractal structure
  • URL: https://arxiv.org/abs/2207.05346
• [Remarks] Innovation through inter-regional interaction
  • URL: https://arxiv.org/abs/2212.14475
• [Remarks] Multimodal agglomeration in economic geography
  • URL: https://arxiv.org/abs/1912.05113
• [Remarks] 研究代表者個人ウェブサイト
  • URL: https://sites.google.com/view/minoruosawa