2019 Fiscal Year Research-status Report
Barriers and measures for carrier continuity of women civil engineers obtained from their oral histories.
Project/Area Number |
19K15109
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
河合 菊子 (山田菊子) 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 研究員 (00466476)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | オーラルヒストリー / キャリア継続 / インタビュー / ロールモデル / 女性技術者 / 土木技術者 / ペルソナ / アーカイブ |
Outline of Annual Research Achievements |
女性の活躍推進が国の主要な施策の一つとなっている.女性の土木技術者では30歳未満が半数超を占めており,彼女たちのキャリア継続を支援するためのロールモデルの提示は切迫した課題である.初期の女性土木技術者が70歳代を迎えた現在,キャリア継続の歴史を記録し,女性土木技術者の支援に役立てることが期待されるが,これまでに公表されているインタビューでは成功体験が多く,キャリア継続の壁と対処の方策についての情報を得ることは難しい.そこで本研究課題では,キャリアを積んだ女性技術者のキャリア継続の歴史から,これからの女性土木技術者に資する情報を提供することを目的とする.この目的のために,次の3つの研究を行うこととした. (1)我が国の初期の女性土木技術者に対する数時間のインタビューから長期にわたるキャリアを通じて直面する課題と,その課題を解決した法律,制度,支援を把握する方法の有効性を把握すること,(2) 分析の結果をインタビューの記録とともに女子学生,女性技術者とその支援組織に提供すること,(3) インタビュー記録の恒久的な保管の報告性を見出すこと,である. 2019年度は土木学会ダイバーシティ推進委員会と共同で次の事項を実施した.すなわち,(1) については(a) データの取得のためのインタビュー実施及び記録方法,(b) インタビューの聞き手候補者に対する教育方法を,(2)については(c) 3名の女性土木技術者(行政2名,教育1名)の選定と情報収集,インタビューの実施である. (a) に関して1件の学会発表を行ったほか,労働基準法に定められた女性の坑内労働規制緩和についての公開討論会においてパネルディスカッションにモデレータとして登壇し,情報収集・交換を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度はインタビュー調査に注力し,話し手の候補を4名選び実施する予定であったが,3名を選定し,事前の情報収集,インタビューの実施及び記録の取得を行った.また,インタビューに先立ち,今後,継続的にインタビューを実施するために,インタビュー方法の手順の文書と,聞き手に対するインタビュー調査方法の教育プログラムを共同で開発し,講習を行った.これらにより,次年度以降,継続して調査を実施する基盤を整えることができた.このことから,(2) おおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
土木学会の5か年計画「JSCE 2020-2024」実現のためのプロジェクトである「土木学会 D & I 2.0」の一事業としても実施することが決まり,女性技術者に限らず,多様な土木技術者を対象とするキャリア継続の経験を聞き取るインタビューと協同できる基盤が整った.特に,インタビュー結果のアーカイブの整備について協力することが想定される. なお,今般のCOVID-19の感染拡大により,感染防止の観点から2020年度の少なくとも前半はインタビュー調査を実施することが困難であると予想している.このため,研究計画を変更し,2020年度は2019年度までに実施したプレ調査を含む4件についての結果の分析と分析方法の評価のフレームワーク,記録の公開方法を実施する.特に後者は土木学会の上記プロジェクトとの共同により進める.
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Causes of Carryover |
COVID-19感染拡大に伴って研究打ち合わせをオンライン会議に変更し,出張を取りやめたため,次年度使用が生じた. 次年度は,次の通りの使用を計画している. インタビュー実施について,話し手に関する資料代,話し手への旅費・謝金,文字起こし料,会場代;研究打ち合わせについて,会議室使用料金,旅費,会議ツール使用料,ウェブ会議システム使用料;インタビュー結果の分析に関して,データサーバ使用料金,記録媒体代,論文・書籍代,送料;研究成果の発表について,学会参加料,論文投稿料,英文校閲料,旅費
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Research Products
(2 results)