2019 Fiscal Year Research-status Report
交差点における横断歩行者挙動を考慮した信号現示の設定
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19K15111
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
張 馨 名古屋大学, 環境学研究科, 研究員 (60825115)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 歩行者挙動 / 信号現示 / 横断歩道 |
Outline of Annual Research Achievements |
信号交差点における歩行者信号を適切に設定するには、利用者の挙動を把握することが極めて重要である。今年度は、異なる信号現示長、横断歩道長及び歩行者交通量の標準的な信号交差点における歩行者挙動観測調査により時間位置データを収集し分析を行い、信号現示長などの違いによる横断歩道上の歩行者流動状況を確認した。 また、信号表示の時間経過に伴う横断歩行者の存在位置を分析し、歩行者青の経過時間、待機時間長、横断歩道長と歩行者交通量等が歩行者の存在位置分布に影響を及ぼすことを明らかにした。 さらに、歩行者青時間の最初の数秒間に横断歩道に進入する歩行者群の横断歩道上における一連の流動状況を表現する歩行者存在位置モデルを構築した。 その結果、歩行者青の序盤に、横断歩道手前で待機する歩行者がまとまって横断歩道に進入し、時間の経過とともに起点から遠くなり、位置分布が広がっていくことが示された。横断歩道が長いほど、待機時間長が短いほど、位置分布のバラツキが大きくなる傾向がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
評価項目の検討については、やや遅れている。研究期間内に産育休を取得したため、調査などに遅れが生じている。調査対象を厳選し、研究期間内の実施完了を目指している。
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Strategy for Future Research Activity |
代表的な歩車分離方式の信号交差点における利用者挙動観測調査を行い、分析データの補完を行う。異なる信号制御方式や信号現示長による歩行者流動状況や影響する車両の飽和交通流率等の相違点を明らかにする。2019年度に構築した歩行者存在確率モデルを改良したうえで、横断歩行者から影響を受けた左折車両の交通容量及び横断歩行者と左折車との交錯機会の量的変化を、歩行者青時間の進行に伴って定量的に評価する方法を提案する。
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Causes of Carryover |
調査の実施が遅れるとともに、予定していた海外の学会に参加できなかったため、残額が生じていた。 この金額については、次年度の直接経費に組み込んで計上することを計画している。
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