2020 Fiscal Year Research-status Report
ラウンドアバウト幾何構造の安全性能評価ツールの開発
Project/Area Number |
19K15118
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
吉岡 慶祐 日本大学, 理工学部, 助教 (30755541)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ラウンドアバウト / 安全性能 / 幾何構造 / 設計 / 評価指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)走行挙動のモデリング:昨年度に引き続き、ラウンドアバウトの幾何構造条件から走行挙動を推定するためのモデリングに必要なパラメータの精度向上を目的とした調査を実施(静岡県焼津市、福岡県宗像市)した。調査においては、ラウンドアバウトを通行する際の流入から流出までの挙動を連続的に観測するため、無人航空機(UAV)による撮影を実施した。また、撮影した上空からの動画をもとに、画像解析ソフトを使用して、走行位置や速度といった基本的な挙動データの取得を進めた。過去の調査結果に加えて、今回取得した幾何構造のバリエーション(とくに、エプロン段差の設置がない箇所、5枝で流入部間の交差角度が小さい箇所)を加えたうえで、幾何構造と走行挙動の関係性を分析した。また、各種幾何構造要素が車両挙動に与える影響を評価し、モデル化において考慮すべき幾何構造要素を検討した。 (2)安全性能評価指標の検討:昨年度までの研究で検討した安全性能を評価するための指標に対して、幾何構造や挙動特性との関係性についての感度分析を行った。また、仮で設定したパラメータを用いて、既存のラウンドアバウトを評価し、指標としての妥当性を検証した。 (3)幾何構造評価ツールの開発:設計関連のソフトウェア開発会社や、設計コンサルタントの技術者へのヒアリングを実施し、実務における活用場面を想定した評価ツールの方向性の検討、アウトプットイメージの具体化に関する検討を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(1)走行挙動のモデリングにおいて実施が必要な走行挙動調査において、緊急事態宣言の発出により、調査の実施が当初の予定していた4月よりも遅れての実施となったため、データの取得や分析に十分な時間が確保できず、今年度は取得データの整理・基礎分析までの実施にとどまった。 (2)安全性能評価指標の検討、(3)幾何構造評価ツールの開発については、基本的な方針についてはこれまでに検討できているものの、(1)の調査結果に基づいたパラメータの設定や指標の妥当性の検証が必要であるため、全体としてやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに取得したデータや幾何構造と車両挙動の関係性に関する基礎分析の結果を踏まえ、幾何構造から走行挙動を推定するためのパラメータの推定を行い、安全性能評価のためのモデルを構築する。また、国内で供用済みのラウンドアバウト数か所を対象に幾何構造の評価を行い、実際の事故データ等との比較を通して安全性能の評価方法の有用性を検証する。さらに、実務の設計現場における活用を想定し、実務者や土木設計のソフトウェア会社との意見交換を実施しながら幾何構造を簡易に評価できるようにするためのツールの作成に着手する。
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Causes of Carryover |
今年度発表を予定していた学会が相次いで中止・延期となり、とくに旅費について次年度使用額が大きく発生した。これについては、当初の計画通り学会等旅費として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)