2020 Fiscal Year Annual Research Report
抗生物質処理のための木質系廃棄物からの酸化グラフェン・ナノTiO2複合材料の開発
Project/Area Number |
19K15122
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
賀 凱 京都大学, 工学研究科, 特定助教 (40823258)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 木質系廃棄物 / 酸化グラフェン / 複合材料 / 抗生物質 / 分解産物 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、抗生物質が効かない薬剤耐性を持つ細菌が増えていることが大きな問題となり、一般的な活性汚泥法では抗生物質の分解性は低い。本研究では、ナノ酸化チタン・酸化グラフェン(graphene oxide)の複合材料により抗生物質が分解されることに着目し、これらによる抗生物質の分解・除去機構を探求した。 (一)触媒を添加した高温炭化反応による木質系廃棄物から酸化グラフェンの合成方法を検討して、本研究の手法に従って高温炭化処理したバイオマス炭素材料のラマンスペクトル結果により、酸化グラフェンのラマンスペクトル特性を観察した。これらのバイオマス炭素材料の断面は透過電子顕微鏡で観察され、原子層で密につながれたグラフェンシートが積まれた構造になり、高い結晶性を持つことが明らかにした。 (二)キノロン系抗生物質を対象として、ナノ酸化チタン・木質系廃棄物由来酸化グラフェン複合材料によるキノロン系抗生物質の効率的な除去を明らかにして、分解産物と除去機構の解明も行った。 これらの研究成果は水処理技術の実用化への貢献が高い。医療・畜産分野と連携することにより抗生物質の排出源における現場低減対策を提案することにも繋がる。また、光触媒分解の対象となる従来の下水処理方法では対応できない種々の難分解性物質に対する応用範囲の拡大が期待される。
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