2021 Fiscal Year Annual Research Report
下水汚泥メタン発酵前処理としてのマイクロ波照射非熱的効果機構の解明と最適化
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19K15126
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Research Institution | Tottori University of Environmental Studies |
Principal Investigator |
戸苅 丈仁 公立鳥取環境大学, 環境学部, 准教授 (60803830)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | メタン発酵 / マイクロ波 / バイオガス |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は2020年度に引き続き,連続式実験の実施と回分式実験を実施した.また,消化汚泥,余剰汚泥,OD汚泥の比誘電率を測定し,マイクロ波浸透深さを測定した.余剰汚泥(22℃,TS4.4%)の浸透深さは1.05cm,消化汚泥(37℃,TS1.7%)の浸透深さは1.21cm,消化汚泥(53℃,TS1.7%)の浸透深さは1.34cmとなり,水分量や温度による変化はあるものの,いずれも1cmから2cmの範囲となり,マイクロ波照射時の形状に留意が必要な結果となった. 回分式実験は消化汚泥を対象とした実験を主として行った.消化汚泥に様々な条件でマイクロ波を照射し,基質として投入する実験の結果からは到達温度,投入エネルギーの増加でバイオガス生成量の増加するケースが確認されたが,到達温度35℃,投入エネルギー90J/g-Wetでも一定のバイオガス生成の増加がみられた. 反応槽をマイクロ波照射によって加温する実験では,マイクロ波照射中はバイオガス生成量が顕著に小さくなることが確認された.また,マイクロ波照射環境に置いた時間によって,その後通常加温に戻した際のバイオガス生成量に違いが生じた. 連続実験は合計375日間実施し,槽内消化汚泥200 gに対し,平日毎日50 W 6 min(90 J/g-Wet)の条件でMW照射を行った期間1では,投入VS1gあたりのバイオガス生成量が0.33 NL/g-VS(未照射系)から0.37 NL/g-VS(MW照射系)となり,未照射系に比べてMW照射系では 12%の増加が確認された。一方,100 W 3 min(90 J/g-Wet)の照射を行った期間2では,未照射系とMW照射系の間にはバイオガス生成量に大きな差は見られなかった。両系列ともアンモニア性窒素や揮発性有機酸の大きな蓄積は確認されなかった。
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Research Products
(1 results)