2019 Fiscal Year Research-status Report
筋かいと面材の併用壁を対象とした復元力特性モデルの開発と木造建物群モデルへの適用
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19K15133
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
汐満 将史 山形大学, 工学部, 助教 (30830129)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 木造建物 / 耐力壁 / 併用壁 / 復元力特性モデル / 建物群モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,木造建物の主要な耐力要素である筋かいと面材が併用された壁(以下,併用壁)の挙動を検証し,これを再現できる復元力特性モデルを開発し,地震被害想定を目的とした,既存の様々な木造建物をモデル化した木造建物群モデルを,開発した復元力特性モデルを用いて構築することである. 本研究で最も重要となるのは併用壁の静的加力実験であり,これを今年度実施する予定である.そのため,昨年度は実験の準備期間とし,既往研究の整理,実験計画の作成を行った.実験計画の作成においては,実施者が所属する機関が設備を有していないため,まずは実験を行わせていただく機関を決定した.決定後は,実験設備の詳細を把握するために実験場の見学を行い,設備の寸法や設置方法を把握し,実験装置の設計を行った.そして,この結果をもとに,試験体の設計を行い,試験体作成業者との打ち合わせを行った. また,木造建物群モデルを構築し精度を検証するためには,強震観測点周辺の被害調査結果が必要となるため,2019年6月18日に発生した山形県沖の地震の被害調査を行った.調査の結果,瓦屋根や外装材の被害といった軽微な建物被害は見られたものの,全壊・大破といった大きな被害を受けた建物は見られなかった.発生した地震動の性質を分析した所,多くは周期1秒以下の短周期が卓越した地震動であり,建物の大きな被害と相関がある周期1-1.5秒の成分は小さかったため,このことが大きな被害を受けた建物が見られなかった原因であることを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は今年度実験を実施するための準備期間であり,実験計画の作成,試験体の設計,試験装置の設計が概ね完了しているため,概ね当初の予定通りに実施できていると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は併用壁の静的加力実験を実施し,実験結果を整理した後,この結果を再現できる様な復元力特性モデルの開発を行う.
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Causes of Carryover |
当初購入を予定していたPCよりも,低価格で品質が良い物があったのでそちらを購入したことにより,余剰金が生じた.今年度購入する,実験に必要な工具をより性能が良い物に変えることで,余剰金を消化する予定である.
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