2021 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギーの面的利用を促進する新たなサービサイジングの可能性評価
Project/Area Number |
19K15155
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
大橋 巧 摂南大学, 理工学部, 准教授 (80625921)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 地域冷暖房 / エネルギーサービス / 面的利用 / 設備保全費 |
Outline of Annual Research Achievements |
地域冷暖房システムは省エネルギーを推進する上で有用な手法であるが、供給側にとっては販売した熱量により対価を得るビジネスモデルであるため、地域全体のエネルギー消費量削減を目指す上では構造的な課題もある。そこで本研究は、熱量ではなく居住者が最終的に求める一定の「温熱環境」や「光環境」をビジネスの供給対象とするモデルを想定し、一つの事業主体が統合的に設備運用することで、プラント側と需要側双方がメリットを享受しつつ省エネルギー化が促進される仕組みの構築が可能か検証を行うものである。 令和3年度は、新たなサービスモデルによる省エネルギー効果を定量的に評価するため、シミュレーションツールLCEMを用いて試算を行った。試算の結果、現状の熱供給モデルで省エネルギー対策を実施する場合のケースでは、約16%の削減効果であったのに対し、新たなサービスモデルでは約20%の削減を見込むことができ、エネルギー消費量削減の面でも本モデル採用による一定の効果を確認した。 2050年カーボンニュートラルの実現、2030年度温室効果ガス46%削減目標に向け、業務その他部門では2030年度51%削減の目標が課されているが、特に再生可能エネルギーの設置が難しい都心部においては、更なるエネルギー利用の効率化を図ることが喫緊の課題となる。都心部で採用事例の多い地域冷暖房の営業地域で省エネルギー化を推進するにあたり、過年度の成果と合わせ、今回提案した新たなサービサイジングモデルを適用することで、現状の熱供給モデルと比較し、経済・環境の両面での優位性が示された。
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