2019 Fiscal Year Research-status Report
漁業集落における共同体と空間形成プロセスの関連性に着目した集落更新モデルの構築
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19K15165
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
青木 佳子 東京大学, 生産技術研究所, 特任助教 (70815860)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 漁業集落 / 地域づくり / 共同体 / 生業組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、集落がこれまでの地域性を維持しながら更新するための前向きな手法の解明を目的としている。地域性の抽出にあたって、これまで集落が保有してきた共同体に着目し、空間形成と関連した考察を行う。初年度は、実際に対象地である和歌山市加太について、地域の基礎情報を整理しながら現在地域づくりを行なっている共同体の活動を参与観察的な調査方法により明らかにすることを目的とした。 【現地調査】 和歌山市加太地域に長期滞在し、現地の資料や文献、インタビュー調査や参与観察調査を行い、各共同体組織の活動状況やその変遷に関する情報を収集・調査した。まず、地域における生業組織の抽出と、それらの活動状況を整理した結果、(i)現在の組織の活動状況 (ii)組織同士の協働状況 (iii)組織の歴史変遷 について主に調査することができた。特に現地の文献の他、これまで郷土資料として扱われてこなかった、共同体発足時の議事録等を元に調査した結果、時代状況に応じた組織変遷を明らかにすることができた。 【調査体制の構築】 地域づくりに携わる和歌山市・和歌山県の担当部署や、現地の地域づくりの実践者、生業組織や地域づくり共同体有識者と複数回にわたる議論や打ち合わせを行い、多くの情報を得た他、今後の現地調査推進に関連する情報交換等を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2019年度は地域における生業組織や共同体の抽出と活動整理を行う予定であったが、その作業過程において地域の歴史や組織変遷についても部分的に調査しまとめることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、集めた資料を元に地域の組織共同体のそれぞれの変遷を、集落の歴史と掛け合わせて考察し、どの時代にどの共同体がどのような規模で集落内で活動していたかを視覚的に図式化する。 また、歴史地図等から、集落の空間構成の変遷を明らかにし、共同体の変遷とあわせて複合的に考察し、漁業集落における「地域性」継承の更新モデル構築を目指す。
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Research Products
(1 results)