2020 Fiscal Year Research-status Report
漁業集落における共同体と空間形成プロセスの関連性に着目した集落更新モデルの構築
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19K15165
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
青木 佳子 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (70815860)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 漁業集落 / 地域づくり / 共同体 / 生業組織 / 参与観察 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は地域らしさが求められる近年の地域づくりにおいて、地域性を維持しながら更新するための知見を得ることを目的としている。和歌山市における加太地域を対象地として、加太地域における地域づくりに関与する組織共同体の現在の活動やこれまでの変遷・協働の歴史と集落内の空間形成のプロセスに着目し、関連性を明らかにしようとするものである。 本年度も、昨年度同様に対象地である和歌山市加太地域にて現地常駐し参与観察的な調査方法により、現在地域づくりを行う共同体の活動内容を捉えつつ、ヒアリング調査や文献調査を通してこれまでの共同体の歩みを明らかにした。また、過去の集落内の共同体の動きや地域づくりの取り組みに関して、調査の中で得られた情報を一部新聞寄稿等を通して一般公開することでさらなる追加情報を得ることができた。 今年度はCOVID-19の流行により当初予定していたヒアリング調査や意見交換会など対面形式の活動が制限されるなど、現地での調査が難しい状況であった。そのため、状況が許す範囲でのヒアリング及び、オンライン形式によるアンケート調査を行うことで情報を採取することとなった。またこれにより、COVID-19状況下の緊急事態宣言時に顕在化された集落内部の領域感覚と時点での各共同体の動きを捉えることができた。このことから、現在の集落内の空間において共同体の管轄と緊急時の開閉判断の過程を明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は加太の地域史の中で地域づくりに関与してきた共同体の変遷を明らかにしつつ、追加で集落内の歴史資料を採取した。加えて、COVID-19状況下の緊急事態宣言時の動きを調査することで現在の共同体の管轄領域及び集落内部における領域感覚を捉えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまで採取してきた資料をもとに、現地でのヒアリング調査等でデータを補いながら空間構成の変遷を明らかにしていく。集落内の共同体の変遷と空間構成の変遷を複合的に考察することでその関連性の中から集落更新のための知見を得ることを目標とする。
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Research Products
(2 results)