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2020 Fiscal Year Research-status Report

「人を繋ぎとめる場所」の特性調査モデルの構築

Research Project

Project/Area Number 19K15172
Research InstitutionMiyagi University

Principal Investigator

友渕 貴之  宮城大学, 事業構想学群, 助教 (10803596)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords人を繋ぎとめる場所 / 条件不利地域 / 震災 / 場所 / 土地 / 集落 / パンデミック / 領域感覚
Outline of Annual Research Achievements

当該年度は東日本大震災による被災地における場所に付着する住民の記憶を整理し、住民ヒアリングを通して、どのような記憶が地域内再建を促すことに寄与したかを抽出することが目的であった。しかし、新型コロナウィルスの感染拡大によって集落住民への大規模なヒアリングが困難な状況となった。またパンデミック禍における集落生活の変容についても記録を残すことは重要であり、また集落住民の領域感覚を顕在化できる可能性があると考え、調査可能な範囲で、アンケートとヒアリングを実施した。本調査の結果、集落内においては人と会う行為、人と会わない行為の両方において、新型コロナウィルスの感染拡大前と変化が無いと回答する割合が多数となった。一方、集落外においてはどちらの行為も減少したと回答しており、集落の内と外における住民の認識の差異が明らかとなった。また今回のコロナ対策において主要なキーワードとなっているステイホームについての認識についても、家の中にいることという認識よりも集落内にいることと認識している人の割合の方が高く、集落内≒ホームと認識していることも明らかとなった。一方で、集落内であればどのような状況でも安心感を得るということでもなく、気候災害等によって避難所への避難勧告が出た場合にどうするかという質問に対しては、自宅避難を選択すると回答した割合が最も多くなったのである。以上のことから、集落内に対する安心感は高いが、パンデミック禍においては密な状況が発生し得る状況に対しては、集落住民に限られてとしても抵抗感を示すことが分かる。こうしたことから、集落内に対してはホームと認識し、かなりの安心感を有しているが、パンデミック禍においては密か疎であるかという状態も重要な要素として浮かび上がることが明らかとなった。新型コロナウィルス感染拡大という状況下の中で集落住民が抱く領域感覚を抽出できたことは大きな成果である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新型コロナウィルスの感染拡大によって住民への大規模なヒアリング調査は困難となっている。またパンデミック禍における集落住民の生活実態及び認識を記録するということも重要な価値を有するために、当初予定していた形での調査に少し遅れが生じている。また定期的に感染拡大が訪れるために、調査日を設定することも困難であり、ほとんど集落を訪れることが出来ない状況が継続しているため。

Strategy for Future Research Activity

今後もパンデミックが収束する兆しが見えないことから、集落調査をどのように実施していくかという基本的な事項について整理し、住民側と調整を行う必要がある。またいつ感染数が収まるかということを把握することは困難なため、落ち着いたタイミングですぐに調査ができるように調査内容をきちんと整理し、パンデミック禍における調査方法も方法を再度検討することで、研究を実施できる可能性を高めていきたい。現場に行くことが出来ない場合においても場所に関する文献調査等を進め、より充実した研究となるように進めていく予定である。

Causes of Carryover

今年度は、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、現地調査を行うことが困難となったことが大きな一因として挙げられる。また同様の理由により、学会大会等もオンライン開催となったことで旅費の使用が減った。その他、現地調査に伴う消耗品等の支出や人件費の支出なども難しい状況であった。次年度は文献調査を中心に研究の精度を高めていくことに加えて、適切なタイミングで小規模に回数を重ねて調査を実施できるように試みる。そのため、地域への訪問回数を増やすことで当初計画で達成することを目指していた状態に近づけるように努める。また遠隔対応やコロナ対応に必要な消耗品・備品なども適切に揃えていく。

  • Research Products

    (8 results)

All 2021 2020

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 2 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 3 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] COVID-19対策下の生活行動の変容にみる漁村集落の領域感覚に関する考察-宮城県気仙沼市大沢地区をケーススタディとしてー2020

    • Author(s)
      友渕貴之, 野田満, 青木佳子, 下田元毅
    • Journal Title

      住宅系研究報告会論文集

      Volume: 15 Pages: 83-90

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] しなやかに災害と付き合う知恵 第三回 自助・共助を育む集落のカタチ-2020

    • Author(s)
      友渕貴之
    • Journal Title

      ニューライフ

      Volume: 7 Pages: 20-24

    • Open Access
  • [Journal Article] 集落生活から考える新しい都市生活のつくりかた2020

    • Author(s)
      友渕貴之
    • Journal Title

      ソトノバ 「ウィズコロナ・アフターコロナの都市・パブリックスペース特集」

      Volume: - Pages: -

    • Open Access
  • [Journal Article] 条件不利地域における新たな生活の兆し-クラウドサービスの活用に着目して-2020

    • Author(s)
      友渕貴之
    • Journal Title

      2020年度日本建築学会農村計画委員会 研究協議会資料 農村計画のパラダイム-今、移住・定住・地域論の達成と展望は

      Volume: - Pages: 51-52

  • [Presentation] 被災者の居住動向からみられる教訓2021

    • Author(s)
      友渕貴之
    • Organizer
      日本建築学会 東日本大震災10周年を機に頻発する複合災害を考える (WG1)人口減少・高齢化に対応し災害につよい建築・まちづくりをどのように進めるか
    • Invited
  • [Presentation] コロナ発生から1年間の漁村集落の生活実態-気仙沼市大沢地区の事例-2021

    • Author(s)
      友渕貴之
    • Organizer
      農村計画学会2021年度春季大会シンポジウム コロナ禍における農山漁村地域とウィズコロナの農村計画
    • Invited
  • [Presentation] コロナ禍における漁村集落の生活実態(気仙沼市大沢地区)2020

    • Author(s)
      友渕貴之
    • Organizer
      コロナ禍の農山漁村における現状と課題~農村計画学会新型コロナタスクフォース中間報告
    • Invited
  • [Book] 大沢読本 3.11 気仙沼・大沢の復興の歩み2021

    • Author(s)
      気仙沼みらい計画大沢チーム, 大沢まちづくり協議会
    • Total Pages
      256
    • Publisher
      大沢まちづくり協議会、大沢地区防災集団移転促進事業期成同盟会、気仙沼みらい計画大沢チーム

URL: 

Published: 2021-12-27  

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