2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K15189
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
金城 春野 琉球大学, 工学部, 助教 (90739624)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 沖縄 / 米国統治 / 先進技術 / 地域主義 / 近代建築 / 戦後 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、戦後沖縄米国統治期の27年間(1945-1972年)における先進建築技術の導入と地元社会への定着過程について明らかにすることを目的としている。対象とする先進技術は、米軍工事によって輸入された材料、施行、設計等であり、これらを包括的に扱う。3年目年度は、前年度から継続して、米国統治期の特異な状況下で建築計画が進行した①琉球政府立博物館(1966年竣工、旧沖縄県立博物館)と②琉球銀行本店(1966年竣工、現在建替工事中)、③残存建物の修繕工事に関する研究を中心に研究を進めた。なお、③は本研究年度2年目後半に当たる②の研究過程に派生した研究対象である。 研究対象①琉球政府立博物館については、研究成果をまとめて査読付き論文(日本建築学会計画系論文集)へ投稿し採用が決定した。掲載は、2022年6月号を予定しているので研究成果の報告は次年度のものとなる。 研究対象②琉球銀行本店については、資料収集が概ね完了した。琉球銀行総務部の協力により、新築建替に伴う解体現場を見学できた。解体現場から、当時沖縄で初めて用いられたプレストレスト工法の緊張材(米国本土から輸入した製品)の一部を採集し保管している。今後は査読付き論文への投稿を目指してまとめの作業に入る。 研究対象③残存建物の修繕工事については、煩雑な状態となっている資料を仕分ける作業を中心に行った。その過程で、日本建築学会大会学術講演に梗概を投稿し発表した(1件2頁)。文書資料、写真収集についてはまだ途中段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象①については、既に査読付き論文(日本建築学会計画系論文集)の採用が決定している。研究対象②については、資料収集が概ね完了したため、2022年度は査読付き論文への投稿を目指しているところである。研究対象③は、研究計画当初予定していなかった対象であり、資料収集が途中段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる2022年度は、まとめ作業、論文執筆が中心となる。しかしながら、研究対象③残存建物の修繕工事は、資料収集が途中段階であり、引き続き調査を継続する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額となった予算にて図面出力用に大判プリンターを発注していたが、世界的な半導体不足により注文していた機器が2021年度内に納品されなかった。2022年度に入って、代替機器として入荷可能な機器を発注しなおした。
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Research Products
(1 results)