2019 Fiscal Year Research-status Report
郷土資料館のたてられた時代の再検証―建築はどのように集められ・展示されてきたか―
Project/Area Number |
19K15202
|
Research Institution | The National Museum of Modern Art,Kyoto |
Principal Investigator |
本橋 仁 独立行政法人国立美術館京都国立近代美術館, 学芸課, 研究員 (00707698)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 建築保存 / 郷土資料館 / 展示デザイン / 国土開発 / 地域資料 |
Outline of Annual Research Achievements |
全国の郷土資料館の現状把握を目指した本研究は、その初年度として基本文献収集と典型的な郷土資料館として主として2事例(仙台市歴史民俗資料館、馬路村郷土資料館)のヒアリングを含めた実地調査をおこなった。また、本研究に係る原稿1本を執筆した。以下、具体的な調査実施内容と、依頼原稿についての詳細。 ■調査)仙台市歴史民俗資料館@宮城県仙台市/2019年6月27日~6月30日実施/同資料館は、明治7年竣工の陸軍歩兵第四連隊を移築したもので、本研究の目的とする文化財活用された郷土資料館というテーマに相応しく調査をおこなった。同資料館の学芸員へのヒアリング調査をおこない関連資料の収集をおこなった。なお同地では本研究の関連企画として、国登録有形文化財宮城野納豆製造所を活用した演劇企画を実施した(ゲッコーパレード出張公演 家を渉る劇 vol.4 『リンドバークたちの飛行』共催:公益財団法人仙台市市民文化事業団)。 ■調査)馬路村郷土資料館@高知県安芸郡馬路村/2019年7月23日~7月25日、2019年11月8日~11月10日(2度実施)/同資料館は、およそ10年ほど閉館している。同地の役所より相談を受け調査を実施したもの。元館長へのヒアリングや同市役所と連携しての再開館を目指した講演、イベントを実施した。 ■原稿)「蒐集は、即効性のない薬」公益社団法人日本建築士会連合会発行「建築士」2020年1月号を執筆した。本記事は研究代表者がこれまで行ってきた活動を振り返り、本研究の意義についてあらためて述べたもの。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究自体は順調であるが、当初予定していた調査地からはいくつかの変更がある。この大きな理由は、調査をすすめるなかで高知県安芸郡馬路村からの研究協力の要請があったことが大きい。しかし本研究の主旨から逸脱するものではなく、関係者の協力も得やすいことから、突発的な依頼ではあったが、研究の成果につながるものであるため、当初の予定を変更している。 また本研究は実地調査を伴うものであるが、2020年度の新型コロナウイルスの影響もあり、調査予定が立たない状況にある。そのため、さらに当初予定からの調整を必要とされることも予想される。
|
Strategy for Future Research Activity |
進捗状況においても述べた通り、2020年度の新型コロナウイルスの影響もあり、調査予定を立てられない現状にある。こうした状況をふまえ、おもには研究代表者の所属機関のある京都府エリアを中心とした調査を主とし、遠方への調査はなるべく控えていきたいと考えている。2019年度は、実地調査が思いの外機会がある一方、基礎文献の調査が不十分となってしまった反省もある。本年度は、まず京都府エリアの調査、また基本文献調査をもとに論文1本の提出を予定している。
|
Causes of Carryover |
一箇所、調査地からの招聘があったため、一部旅費が軽減された状況が生じた。二年度目の旅費にあてたい。
|