2021 Fiscal Year Research-status Report
立体ねじり折り展開宇宙構造物の構造概念の解明と立体モジュラー構造の構築方法の探求
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19K15208
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
有田 祥子 静岡大学, 工学部, 助教 (50800629)
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Project Period (FY) |
2020-02-01 – 2023-03-31
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Keywords | 立体ねじり折り / 宇宙機構造物 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的の3つの内容は,①構造概念,特徴,変形メカニズムを明らかにすること,②展開の変形の制御方法を明らかにすること,③3次元モジュラー構造の数理モデルを構築することである.このうち,①②を完了し,③を進めた.立方体展開構造物は,展開を可能にする柔軟な支持部材(ピラー)と,2枚の剛な天板をヒンジで繋ぎ合わせた構造であるが,①については,FEMによる応力分布の解析結果から,構造物の展開時の応力集中箇所がヒンジの接続部分であることを特定することができた.また,動的座屈構造解析,固有振動解析を振動試験結果と比較することによりコリレーションを取り,構造解析からピラーの曲げ・捩りの変形モードを明らかにすることができた.②については,実験による展開測定と変位量の画像解析から,座屈変形を誘発する変位方向および非対称展開の誘発を確認し,展開力を与えるワイヤーの歪エネルギ―について,理論式からワイヤーの変形量を推定することで,初期不整の原因箇所がワイヤーの収納時の最小R部に依存することを明らかにした.また,ワイヤーの取り付け位置によってこれをコントロールすることができるという知見を得た.③については,複数を繋ぎ合わせたモジュラー構造模型を作成し,長大構造物構築時のねじれパターンを見出した.これは,収納・展開時のねじれ方向に自由度を持つことに起因し,ヒンジを有するモデルではヒンジの公差,折紙のような一体膜模型においては膜の折り目の剛性によって引き起こされることが分かった.また,剛性計測実験からモジュラー構造の剛性の数理モデルを構築することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在,研究目的の3つの内容のうち,①②を完了し,③を進めている.①については,解析と実験の比較から,解析の信頼性を確かめた上で,解析によって展開・収納の変形における変形モードの特定と,応力集中箇所の特定ができ,構造メカニズムの解明について一定の知見を得ることができたと考える.②については,具体的な展開機構を設計・製作し,実験および解析の両面から,展開力および展開の対称/非対称を誘発する原因を特定し,コントロールする方法が得られ,目的を達成している.③については,1次元でのモジュラー構造模型による実験を実施し,長大構造物構築時のねじれパターンおよび剛性の予測の数理モデルまで見出したが,まだ3次元モジュラー構造への適用は出来ていない段階である.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,研究目的の3つの内容のうち未完了となっている,3次元モジュラー構造の数理モデルの構築を引き続き進める.昨年度までで,2次元モジュラー構造の構築ルールの把握と1次元長大構造物の形状のパターンを明らかにしたため,これらに基づき,3次元数理モデルの構築を行う.具体的には,2次元数理モデルの拡張による形状構築パターンと,1次元の剛性予測モデルを3次元に適用する.
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Research Products
(1 results)