2020 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙機の汚染除去を目指した真空環境下で長期間機能する光触媒の開発
Project/Area Number |
19K15211
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
下迫 直樹 上智大学, 理工学部, 研究員 (80838095)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 宇宙機 / 光触媒 / コンタミネーション / 二酸化チタン / 真空 / ジルコニア |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度から引き続き,①真空環境下で光触媒活性が低下する原因を詳細に調べ,②その原因をもとに真空環境下で機能する光触媒の開発を行うために,水晶振動子マイクロバランスを利用をした光触媒作用による汚染物質の質量減少測定,ジルコニア光触媒の作製条件出しとその光触媒活性評価を行った.
前者については,メチルレッドのほかに,オレアミドを汚染物質として使用して,真空環境下において分解実験を行った.その結果,真空環境下においても水晶振動子上に成膜された二酸化チタン光触媒薄膜はオレアミドを分解し,その質量を減少させることができることを明らかにした.メチルレッドとオレアミドの分解量を比較したところ,オレアミドのほうが分解量が多いことがわかった. 後者については,二酸化チタンに比べて酸化力・還元力の大きいジルコニア光触媒を作製した.ゾルゲル法によって石英ガラス基板上にジルコニア薄膜を作製し,そのアニール温度と光触媒活性,試料の特性を調べた.ジルコニアは高温アニールでは欠陥形成によって光触媒活性が低下するため,低温アニールが有効であることを明らかにした.大気環境下でのジルコニア薄膜のUV-C照射時の光触媒活性は,一般的な光触媒量子収率を持つ二酸化チタン光触媒と比較すると,高温アニール時は二酸化チタンと同程度,低温アニール時は二酸化チタンに比べて約10倍高いことが明らかとなった.真空環境下においても二酸化チタンに比べて,ジルコニアは高い光触媒活性を示すことが期待される.
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Research Products
(5 results)