2020 Fiscal Year Research-status Report
自律運航船のための衝突リスクを考慮した計画航路選定の自動化
Project/Area Number |
19K15228
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
南 真紀子 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (10415804)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 自動運航船 / 避航操船 |
Outline of Annual Research Achievements |
自動運航船の研究が進められており、日本でも2025年を目標に最終的な意思決定は乗組員が行うが高度に自動化された自動運航船の実現に向けた取り組みが進められている。この開発において衝突回避は重要な課題の一つである。避航操船には他船の動向予測など不確定な事象に対する判断が含まれており、避航技術が確立した場合でも危険な見合いが発生しやすい海域を避けて航行することは安全性の向上に効果がある。そこで本研究では、航海計画立案時にそのような海域を避けた計画航路を自動的に選定するシステムを構築する。 本年度、危険な遭遇を判断するためCOLREGs(海上における衝突予防のための国際規則に関する条約:Convention On the International REGulations for Preventing Collisions at Sea)と比較し操船結果を評価する方法について検討した。他船が1船の場合について、自船に海技研で開発した避航アルゴリズムによる自動避航機能を持たせ、数値シミュレーションにより網羅的な遭遇シナリオを実行した。そして操船結果に対して、他船との最接近距離や避航義務船である場合の操船行動、保持船である場合の操船のタイミング等について評価式によりCORLEGSと比較した。なお、他船を複数設定した場合は、避航困難な状況を示すとされる今津問題に基づいたシナリオでシミュレーションを実行し評価した。本評価法では、式中のパラメータの設定が重要でありさらに検討を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナの影響により実務者へのヒアリングや実船実験、シミュレータ実験の実施に遅れが生じたためやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
OZTを用いたニアミスの評価法を検討する。また、その評価法を用いてふくそう海域、準ふくそう海域でのニアミスの発生地点を抽出し事故発生状況とGIS等を用いて比較する。また、発生状況から計算される衝突リスクの換算について検討する。なお、衝突リスクはニアミスや衝突の発生地点の確率密度分布から算出している。 加えて、COLREGsとの比較による評価法について、評価式中のパラメータの設定について操船実務者へのヒアリングや事故調査報告書の精査等により妥当な値について検討する。そして、実海域のデータでの検証を実施しOZTによるニアミスの抽出とあわせて対象海域の衝突危険性を示し航路計画立案に資する資料として整備する。
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Causes of Carryover |
実船実験、シミュレータ実験が実施できなかったため、次年度使用額が発生した。今年度も実船実験の実施が難しい場合も考慮し、海図データ等を整備し机上での検討がより効率よく行える環境を整備することを検討している。また、これらのシステムは当初検討していた陸上での航海計画立案作業にも使用できるものとする予定である。
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