2019 Fiscal Year Research-status Report
データドリブン最適化に基づくマス・カスタマイゼーション生産方式の設計
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19K15243
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大森 峻一 早稲田大学, 理工学術院, 准教授(任期付) (30649348)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | サプライチェーンマネジメント / 需要予測 / オペレーションズリサーチ / 機械学習 / ロバスト最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の計画では、2019年度に需要予測・2020・2021年度にサプライチェーン設計を行うウォーターフォール型の開発を予定していた。一方で、共同研究先との協議の結果、2019年度に、需要予測・サプライチェーン設計を統合したシンプルなモデルを開発し、次年度以降に機能を逐次追加していくアジャイル開発の体制をとることにした。 2019年度は、共同研究先の企業に対するヒアリングを行い、対象製品の選定、ならびに、販売・生産・在庫・物流のデータ収集を行った。これをもとに需要予測・サプライチェーン設計のアルゴリズムを開発した。結果として、小規模なデータセットにおいては、確率分布を仮定することなく、変動にロバストな生産計画を立案することができた。一方で、大規模なデータセットにおいては、計算時間が非常に長くかかることがわかった。このため、アルゴリズムの改良を行い、大規模問題に対しても、効率よく安定的に求解できる方法を開発した。 研究成果を国際会議にて発表した。また、同分野の研究者から得られたフィードバックをもとに、学術論文としてまとめ、ジャーナルに投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究実績で述べた様に、シンプルなモデルではあるが、予測・最適化を統合したデータ・ドリブンな意思決定の有効性について検証ができた。また、大規模データに対してもスケーラブルなアルゴリズムのプロトタイプができたため、次年度以降により複雑なモデルへの展開も可能になる。 以上の理由から、初年度に、研究課題全体の50%程度の内容が達成できたため、当初の計画以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、初年度に開発したモデルのアップデートを行う。具体的には、需要予測シナリオ生成とサプライチェーン設計のそれぞれにおいて、以下の内容を計画している。 需要シナリオ作成においては、市場の動向、需要への影響因子と考えられる外部データを「市場データ」、 過去の販売量の時系列的な内部データを「販売データ」と定義しているが、初年度は販売データのみを用いて予測を行ったため、次年度以降は市場データも含めて予測を行う。 サプライチェーン設計においては、単一商品の意思決定を行っていたため、複数商品に拡張する。また、それに伴い、生産・在庫キャパシティやリスクプーリング効果などについても考慮したモデル開発を行う。 上記の様なモデルを作成することにより、データの次元数が大きくなるため、アルゴリズムの工夫も合わせて行う。
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Causes of Carryover |
大学院生謝金(データ加工処理・資料整理)を想定していたが、得られた研究データが、想定していたよりも整理されたものであり、大きな加工処理をする必要がないものであった。このため、データ加工処理については、申請者本人が行ったため、差異が生じた。
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