2023 Fiscal Year Annual Research Report
データドリブン最適化に基づくマス・カスタマイゼーション生産方式の設計
Project/Area Number |
19K15243
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大森 峻一 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (30649348)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | サプライチェーン・マネジメント / 分布的ロバスト最適化 / 分散最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、顧客ニーズの多様化に対応するため、規模の経済と消費者個別の好みに対応する「マス・カスタマイゼーション」生産方式を実現するための科学的手法を開発した。具体的には、データドリブン最適化という新たなモデルを提案し、市場・販売・生産データを組織横断的に活用することで、迅速かつ統合的な意思決定を行う方法を実証した。最終年度には、研究の研究者・成果を様々な企業に周知する活動を行った。その結果、多くの企業がこの手法に強い興味を示した。企業からのフィードバックを受け、新たに以下の課題が浮上した。 ①需要側のデータの活用強化:顧客の購買行動や市場の動向をより詳細に把握し、需要予測の精度をさらに向上させるために、需要側のデータを一層活用する必要がある。特に、テキストなどの非構造データよを用いてより正確な需要シナリオを作成する方法が求められる。 ②供給側のデータの活用強化:サプライチェーン全体の効率性を高めるためには、供給側のデータをより積極的に利用することが重要である。近年は、生産・輸送・在庫の各段階でのデータを統合するだけでなく、Tier2以降のサプライチェーンまで含めて、データ取得が可能になりつつある。これらのデータを用いてることで、サプライチェーン上の供給・途絶に対する予測精度を高めて、コスト削減や在庫削減を実現しつつ、需要の変動にも柔軟に対応できる供給体制を構築することが可能である。 本研究の成果は、より効果的で効率的なサプライチェーン設計を可能にし、顧客価値創造を通じて産業競争力の強化に大きく貢献できると考えられる。
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