2019 Fiscal Year Research-status Report
運転支援システムの導入による行動変化の心的メカニズムの解明:視覚的注意の観点から
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19K15245
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Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
紀ノ定 保礼 静岡理工科大学, 情報学部, 講師 (00733073)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 運転支援システム / 注意 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度から採択された本研究プロジェクトでは、運転支援システムが交通環境に導入されることで、道路利用者の認知や行動がどのように変化するかを解明することが目的である。特に、環境内の情報を視覚的に取捨選択する認知的機能である、視覚的注意に注目した。 プロジェクト初年度の2019年度においては、関連する文献の調査と、予備実験を実施した。文献調査では、レベル1~3の自動運転(衝突被害軽減ブレーキやAdaptive Cruise Controlなど)における視覚的注意に関する文献を中心的に集めた。 予備実験では、運転システムが導入された交通環境におけるドライバーの視覚的注意の変化を捉えるべく、ドライビング・シミュレータを用いた実験の準備を行った。実験の被験者は、仮想的な交通環境内を長時間運転し、交通環境内で稀に出現する標的を検出して反応する、という実験を行った。実験では、運転支援システムが交通環境内に存在する場合と存在しない場合を操作した。また運転の最中に、ドライバーに認知的な負荷がかかる条件を設け、刺激検出の成績を比較した。認知的負荷の操作により刺激検出成績が変動する可能性が示唆された。しかし同時に、今回用意した実験環境では刺激検出の難易度が低く、研究目的をじゅうぶんに達成できない可能性も判明した。そこで実験環境の改善と予備実験を繰り返し、適当な環境を見定めようとしている最中である。 研究の途中経過は研究会等で発表し、様々な建設的な意見をもらったことで、今後の方針に反映させている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、実験の環境設計が終わったのちに、本番の実験を開始する予定であった。しかし上述の通り予備実験を継続する必要があったことから、やや計画に遅れが発生している。加えて、2、3月にも実験を予定していたが、新型コロナウイルスの影響もあり実験をひかえたことも影響している。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの影響が解消され実験が可能になったのち、予備実験の継続と本番の実験の遂行を行う。得られたデータを解析し、今後の方針を検討する。また、オンライン調査やオンライン実験などを活用し、今後の方針を決定するための予備的データを集めることも検討している。
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Causes of Carryover |
当初、予備実験を終えて本番の実験を遂行する予定であったが、予備実験を継続する必要が出たため本番の実験まで至らなかった。またそれに伴い、当初購入を検討していた物品を購入しなかった。次年度以降に実験を再開できた場合に、実験に要する謝金や機材費として支出する予定である。
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Research Products
(4 results)