2020 Fiscal Year Research-status Report
大規模な非凸最適化問題に対する効率の良いアルゴリズムの開発と機械学習等への応用
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19K15247
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
田中 未来 統計数理研究所, 数理・推論研究系, 准教授 (40737053)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 数理最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 2 錐間の最小角を計算する問題は画像処理等への応用をもつ. 今年度はこの問題に対する停留点を求めるための球面上の交互射影アルゴリズムについて研究を行ない, 各反復で解く子問題が効率よく解けることとアルゴリズムの大域的収束性を証明した. (2) また, 上記の問題に対する大域的最適解を求めるための分枝限定法の研究を行ない, 適切な緩和問題の設計と分枝限定法の大域的収束性を証明した. (3) 非凸非平滑な DC 最適化問題に対する Bregman 距離を用いた DC アルゴリズムについて研究し, その大域的収束性と局所的収束性を証明した. また, このアルゴリズムを画像処理の問題に応用した. (4) 多レベル最適化問題において下位問題を勾配法で近似した際に勾配法の反復回数を無限に大きくするとき, 近似問題の最適解が元の問題の最適解にある意味で収束することを示し, このことを利用したアルゴリズムを設計した. (5) 最適制御問題に現れるスパース最適化問題に対する効率のよいアルゴリズムを開発し, その収束解析を行なった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度進展が遅れていた理論的な研究について今年度は進展が見られた上, 応用研究も継続できているため, 全体としては順調といえる.
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 2 錐間の大域的な最小角を計算するための分枝限定法を実装し, 凸錐の幾何学における未解決問題にアプローチする. (2) 複素信号処理への応用を目指し, 非凸非平滑な DC 最適化問題に対する Bregman 距離を用いた DC アルゴリズムを複素空間上の問題に適用できるように拡張する. (3) 多レベル最適化問題に対する勾配法を用いて機械学習のモデルを解き, その有効性を示す. (4) スパース制御問題におけるより優れたモデルを開発し, それを解くための効率のよいアルゴリズムを構築する.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で物品の購入が困難になった上, 各種出張が中止となったため, 次年度使用額が生じた. 状況が改善された後の物品調達や出張旅費として使用することを検討している.
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