2019 Fiscal Year Research-status Report
Construction of an advanced ship routing system for the South-North shipping routes
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19K15251
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
陳 辰 神戸大学, 海事科学研究科, 助教 (40793815)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 気象の不確実さ / 実船データ / 運航変化の高精度推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
実船データを用いGPVに対するデータ同化による気象(風)の不確実さの低減 2010〜2016年に実施(28,000トン級貨物船)の実船実験(建造者および船主である今治造船(株)および正栄汽船(株)の全面的な協力を得ている)で気象変化データを計測し、南北半球の諸海域で卓越する荒天航海時の気象特性を整理した上、利用実績の高い大気モデルWRFにて0.1°間隔の計算解像度を設定、データ同化理論と大気物理パラメータの調整にてNCEP(米国国立環境予測センター)およびECMWF(ヨーロッパ中期予報センター)等の気象機関から公開されるGPVデータのばらつきを把握し、気象(風)の不確実さの低減を図るアルゴリズムを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
南北半球に気象の不確実さに対し、実船データによるデータ同化の理論を活用した誤差低減の考え方は欧州の研究者により既に提案されているが、広範囲かつ長期間の計測データにより検証された事例は存在せず、本研究にて南半球を含めたグローバルかつ数年規模の関連データを活用し、NCEP(米国国立環境予測センター)およびECMWF(ヨーロッパ中期予報センター)等の気象機関から公開されるGPVデータに対するデータ同化による気象(風)の不確実さ低減の研究を行った。 研究結果として、高緯度や南半球を中心に各気象機関より公開されるGPVデータのばらつき(気象の不確実さ)と大気モデルWRFにて、南北半球の諸海域の気象特性を解明し、船舶海洋系ジャーナルOcean Engineeringに1本採択となりました。これによる気象(風)の不確実さの低減度合も比較検証した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.南半球の三大陸沖で卓越する海流の推定および実船データによる比較検証と特性解明 。海流推定に利用実績の高い海洋モデルPOMを使って、南半球においても三大陸の沖で強い海流(アガラス海流、東オーストラリア海流、ブラジル海流)を高精度な推定を実現する。 2.南極からのうねり、局所的な低気圧および大陸沖にて卓越する海流の相互干渉に形成される波浪特性の推定・解明。気象の不確実さ低減を実現した結果値を入力とした波浪推定にて利用実績が高いモデルWaveWATCH IIIの数値計算を実施し、局所的な低気圧による影響に対する再現性を向上させる。これに加え、高精度な推定海流値を使用し、海流と波浪(南極からのうねりなど)の相互干渉も考慮した計算を実施の上、補正前のGPVをもとに計算した結果との比較も合わせて実施する。 3.気象、海流、海浪の推定・解明をもとに実船データとの比較検証による運航変化を正確に推定するアルゴリズムを構築。気象、海流、海浪の推定・解明にて高精度な推定値を運航変化シミュレーションに反映し、荒天航海時の再現性について向上度合を明らかとする上、意図的に減速操作する等の操船方法が一般的とされるが、これも考慮したモデルに改良、南北間の海上輸送の高度化を実現する。
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Causes of Carryover |
海外研究の予定がありましたが、コロナウイルスのため中止して、研究は来年度になりました。
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