2019 Fiscal Year Research-status Report
準自動運転におけるドライバのリスク補償行動への理解と対策
Project/Area Number |
19K15252
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
土井 俊央 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (20794077)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 準自動運転 / 警報システム / 警報モーダリティ / 覚醒水準 / ヴィジランス / 生体計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 走行中に別の作業(副次課題)を行い,ドライバの注意が散漫になっている状況においても事故を減らすための方法として,危険な場面に対する警報提示の有効性を検討した.自動車運転中に,視覚的な副次課題(車載画面に表示される視覚探索課題)・聴覚的な副次課題(カーラジオから流れる音声の特定の単語に反応する課題)を行っている際に,ランダムに提示される危険場面に対して,視覚・聴覚・触覚のモーダリティの異なる警報の効果を検討した. (2) 自動運転は手動運転と比べ運転作業負担が小さいため,覚醒水準が低下しやすく,それに伴うヴィジランスの低下がシステムからの運転引き継ぎ要求への反応のミスや遅れにつながることが危惧されている.そこで,自動運転・手動運転の違いと運転時間がヴィジランス低下に及ぼす影響を検討し,自動運転状況では提示される課題の見逃しが増え,ヴィジランス低下の影響を大きく受けることが確認された. (3) 自動運転状況において発生するドライバへのシステム制御権限の委譲要求に安全に対応するためには,ドライバの覚醒水準を推定し,権限移譲が可能な状態にあるかを常に検知できている必要がある.そこで,運転中のドライバの主観的な覚醒状態をカロリンスカ眠気尺度で推定し,その値とドライバの生体情報(脳波,心拍変動性指標,瞳孔径,PERCLOSなど)との対応関係を調査し,運転中のドライバの生体情報に基づいて覚醒状態を評価できる可能性が示唆された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りの実験を行い,研究を展開していくための基礎的なデータが十分に得られた.
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度の実験で得られた知見の深耕を図り,より自動運転の実際の状況に近づけた実験状況において実験データを取得することで,自動運転システムへの実用化を見据えたデータを得る.
|
Causes of Carryover |
手持ちの機材を利用して今年度の実験環境構築ができたため,今年度の使用額が抑えられた.ただ研究計画全体を通して,購入予定の機材が不要になったわけではないので次年度以降の実験環境構築・整備のために使用する予定である.
|