2021 Fiscal Year Annual Research Report
地方自治体の災害対応力向上のための民間企業との連携における改善方策の研究
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19K15258
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Research Institution | Hyogo Earthquake Memorial 21st Century Research Institute |
Principal Investigator |
寅屋敷 哲也 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構, 人と防災未来センター, 主任研究員 (50758125)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 災害時応援協定 / 官民連携 / 地方自治体 / 東日本大震災 / 南海トラフ地震 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地方自治体と民間企業の災害時応援協定の締結および災害時の官民連携の実践における支障要因を抽出し、行政がいかにして支援要因を乗り越えるかの改善方策について、民間企業視点の調査をもとに示すことを目的としている。2021年度は、(1)南海トラフ地震における被災地域がどのような分野の協定が必要かを分析するための研究、(2)企業が協定における官民連携に支障となる課題や円滑な連携体制を構築している企業の特徴を分析するための研究を実施した。 (1)災害時応援協定データベースの解析 2020年度に内閣府に行政文書開示請求を行って入手した、令和元年度災害時応援協定データベースを基にデータ解析を行った。対象は、東日本大震災で被災した沿岸35市町村として、各自治体の企業と締結している協定のカテゴリの分類を行い整理して、東日本大震災以降に増加した協定のカテゴリを抽出した。本分析結果は、地域安全学会の論文に投稿した。 つぎに、南海トラフ地震の想定被災地として、東海地域として静岡県、関西地域として三重県、和歌山県、四国地域として徳島県、高知県の沿岸市町村を対象として、同分析を行い、東日本大震災被災地で増えた協定との差の分析を行い、査読論文を執筆し投稿する準備をしている。 (2)協定締結企業へのアンケート調査分析 先述の協定データベースにおいて、複数の自治体と協定を締結している企業1772社を抽出し、その企業を対象としてアンケート調査を2022年2月に実施した。その結果、415社からの回答が得られ、有効回答率は23%であった。研究の仮説として、協定の実効性向上に積極的な企業は、事業継続の実効性の向上の積極性や過去の災害での連携の経験に影響している、と設定し、因果構造を明らかにするために構造方程式モデリングでの分析を進めている。分析結果および自治体への提言内容を査読論文にまとめ投稿する予定である。
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Research Products
(3 results)