2020 Fiscal Year Research-status Report
The Mechanism and Management of Urban System's Regenerative Capacity for Coping with Natural Disasters
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19K15261
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
塩崎 由人 金沢大学, 地球社会基盤学系, 研究協力員 (00824921)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 都市システム / 自然災害 / レジリエンス / 災害対策 / 復興政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
被災を契機に都市が衰退傾向に陥る可能性が指摘されており、都市の回復力を高める対策が必要とされている。先行研究でも、事前対策・復興政策の検討を目的に、被災した都市の回復を記述可能な数理モデル(以下、回復モデル)が構築されてきた。しかし、被災を契機に都市が衰退傾向に陥るメカニズムを内包したモデルは見られない。そこで、本研究では、都市が衰退する可能性も含む回復モデルを構築し、被災した都市の回復に影響を与える要因とメカニズムを明らかにする。さらに、モデルの妥当性を検証し、説明力を高めるため,過去の災害復興事例を再現する.その上で,都市の特性に応じて講じるべき事前対策・復興政策の方向性を検討することを目指す。 2020年度は、昨年度から取り組んできた新経済地理学に基づく2都市モデルを発展させて、その成果を土木学会論文集(2020 年 76 巻 4 号 p. 314-333)に掲載した。これは、2都市モデルに外部地域を組み込んだ枠組みにより、都市システムの受容力に関する性質を明らかにするものである。 また、これまで研究代表者が構築してきた回復モデルを含む先行研究の到達点を明らかにし、今後さらに発展させるべき方向性を示すため、網羅的なレビューを行った。同時に、過去の災害事例の文献調査に基づき、災害回復過程における事象の関係性を整理することで、更なる回復モデルの発展に向けて、災害回復事象の構造的な理解に努めた。 以上の成果について、University College London/Institute for Risk and Disaster Reductionにおける研究セミナー(2021年1月)で発表し、参加者と意見交換を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モデルの構築および文献調査に関しては、概ね計画通り実施した。しかし、データ収集に関しては、新型コロナウィルスの影響により災害復興地域の現地調査を延期したため、遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に加えて、コロナウィルスの状況を慎重に考慮した上で、これまで実施できていない現地調査を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウィルスの影響によって、現地調査や出席予定の学会が延期やオンライン開催となったことから、旅費を中心に大幅に当初の支出予定を下回る結果となった。次年度に繰越になった現地調査や学会参加によって当初予定よりも支出が増加する見込みであり、その経費を補完するために使用する。
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