2022 Fiscal Year Research-status Report
The Mechanism and Management of Urban System's Regenerative Capacity for Coping with Natural Disasters
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19K15261
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Research Institution | National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention |
Principal Investigator |
塩崎 由人 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 災害過程研究部門, 特別研究員 (00824921)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 都市システム / 自然災害 / レジリエンス / 災害対策 / 復興政策 / 数理モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
被災を契機に都市が衰退傾向に陥る可能性が指摘されており、都市の回復力を高める対策が必要とされている。先行研究でも、事前対策・復興政策の検討を目的に、被災した都市の回復を記述可能な数理モデル(以下、回復モデル)が構築されてきた。しかし、被災を契機に都市が衰退傾向に陥るメカニズムを内包したモデルは見られない。そこで、本研究では、都市が衰退する可能性も含む回復モデルを構築し、被災した都市の回復に影響を与える要因とメカニズムを明らかにする。さらに、モデルの妥当性を検証し、説明力を高めるため,過去の災害復興事例を再現する。その上で,都市の特性に応じて講じるべき事前対策・復興政策の方向性を検討することを目指す。 2022年度は熊本地震による被害を受けた熊本県益城町を対象として、地区の回復に影響を与える変数について分析を実施した。具体的には、建物データを用いて地区ごとの建物被害からの再建状態を回復指標として構築した後、先行研究でレジリエンス指標として用いられる変数のうち、国勢調査等の公的統計から得られる変数を用いて、回復指標に影響する変数を特定した。65歳以上高齢化率、専門職の就業人口率、熊本市への距離などの変数が回復に有効な変数として特定された。 上記の結果を取りまとめて、2023年6月に開催予定の国際会議(Canadian Conference - Pacific Conference on Earthquake Engineering 2023)にフルペーパーとして投稿した(2023年5月現在、オーラルプレゼンテーションとして採択されている)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの影響により、災害復興地域の現地調査に遅れが生じたため、データ収集や調査結果に基づくモデル構築にも遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウィルスの影響により遅れが生じていた現地調査を行い、その結果を踏まえて、さらなるモデル構築を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウィルスの影響を受けて、研究計画の遂行に遅れが生じたため、研究期間を次年度まで延長することとした。実施できていなかった現地調査や研究結果の学術誌への投稿費用として使用する予定である。
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