2023 Fiscal Year Annual Research Report
The Mechanism and Management of Urban System's Regenerative Capacity for Coping with Natural Disasters
Project/Area Number |
19K15261
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Research Institution | National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention |
Principal Investigator |
塩崎 由人 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 災害過程研究部門, 契約研究員 (00824921)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 都市システム / 自然災害 / レジリエンス / 数理モデル / 災害対策 / 復興政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、事前対策と復興政策の検討に向けて、都市の自然災害に対する回復力のメカニズムを解明することを目的とした研究である。研究期間全体では、この目的を達成するため、(1)数理モデルによる理論的アプローチ、(2)災害事例におけるデータを用いた実証的アプローチによる分析を実施した。 (1)数理モデルを用いたアプローチでは、自然災害等の外力によって生じる人口変動を受け容れ,都市システムが外力を受ける前の状態を回復する能力をレジリエンスと定義した。その上で、都市システムのレジリエンスを表現するために、Murata and Thisse(2005)による空間経済地理学モデルに外部地域を組み込んだ2都市スモールオープンモデルを構築した。このモデルを用いて、他都市との移動・交易自由度や都市の特性が対象都市のレジリエンスに与える影響を数値計算によって明らかにした。さらに、その結果を基に都市のレジリエンスを高めるための対策を検討した。 (2)実証的アプローチでは、先行研究によって妥当性が検証されているレジリエンスの評価指標をシステマティックレビューによって明らかにすることで、災害からの回復力を説明可能な指標(要因)を体系的に整理した。次に、2016年熊本地震で被災した熊本県益城町における地震被害および被災前後の建物データを用いて、益城町内各地区の住宅再建率に影響を与える要因を特定した。先のレビュー結果と熊本地震における分析結果を基に、都市の回復力を向上させるために必要な対策について検討した。この分析によって得られた成果については論文投稿予定であり、今後、本研究課題の成果として公開する。
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Research Products
(5 results)