2019 Fiscal Year Research-status Report
超高齢社会を支える医療・福祉・防災支援のための実態把握と計画策定システムの開発
Project/Area Number |
19K15263
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
藤生 慎 金沢大学, 地球社会基盤学系, 准教授 (90708124)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高齢者 / 災害弱者 / CWAP / 国民健康保険データベース / 共助 / 公助 / 災害時要配慮者 |
Outline of Annual Research Achievements |
兵庫県南部地震や東北地方太平洋沖地震といった地震によって引き起こされる過去の大規模地震災害において,共助の重要性と公助の限界が明らかとなった.また,近年では地震災害時において,災害時要配慮者の支援体制の強化が喫緊の課題となっており,災害時要配慮者こそ共助によるケアが必要であると考えられている.本研究では,大規模なアンケート調査から,地域住民による共助を行う意思に関する質的な情報,また,国民健康保険データから共助を必要とする災害時要配慮者数の量的な情報を把握することによって,「質」,「量」の両面からの共助実態を明らかにすることを目的とする.国民健康保険データ及びアンケート調査より得られたデータを活用することにより,「町字」という詳細な単位での共助実態を明らかにすることが可能となった.さらに,近年,日本で頻発する大規模災害において,避難行動要支援者の被害が甚大である.水害は災害の進行速度が比較的緩やかであるため,被害が拡大する前の早期避難が実現すれば人的被害を大幅に軽減することが可能である.そこで本分析では,避難により多くの時間を必要とする避難行動要支援者を考慮した身体状況や地域特性に着目し,町字ごとに細分化された新たな避難情報提供法による人的被害の軽減を目的とする.その基礎的把握として,時間経過を考慮した被災可能性人口の推計を行った.その結果,石川県小松市を流れる梯川の一破堤点が氾濫した際の避難行動要支援者がいつ,どのような浸水想定に,何人程度見舞われるのかを町字単位での推計を行い,被災危険性を明らかにすることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
利用可能な国民健康保険データベースに加えて,独自に実施した市民ンカートをハイブリッドに活用して,研究を遂行できているため.また行政の協力が非常に積極的であるため当初の予定以上に研究を遂行できています.
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Strategy for Future Research Activity |
アンケートや国民健康保険データベースの分析に加えて,市民と協働で防災訓練に本研究成果を組み込み,より実践的な展開を図りたい.
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