2021 Fiscal Year Annual Research Report
超高齢社会を支える医療・福祉・防災支援のための実態把握と計画策定システムの開発
Project/Area Number |
19K15263
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
藤生 慎 金沢大学, 融合科学系, 准教授 (90708124)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 災害時要配慮者 / 非接触センシング / 避難 / 脆弱性 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国では,近い将来に大規模かつ広域的な地震の発生が懸念されており,これらの地震が発生した場合には莫大な人的被害が想定されている.中でも,我が国では災害時要配慮者の人的被害が顕著であり,近年では要配慮者に焦点を当てた支援体制の確立が求められている.自治体職員または支援者が被災者支援を行う際,はじめに行う対応は被災者の情報収集である.被災者のニーズ,支援を求めた位置を特定することによって,支援が始まると言える.しかし,前述したような大規模地震災害が発生した際には,自治体職員も被災者となる点,通信基地局などの破壊によって携帯電話が使用不可になる点等から被災者の情報発信・情報収集が行えず,被災地内での支援活動は困難を極める.特に,健常者と比較して身体的,精神的に虚弱な要配慮者については,支援の遅れは生死にかかわる事態になりかねない.したがって,要配慮者については,発災直後におけるニーズを網羅的かつ一括的に把握し,迅速な支援を行う必要がある.そこで本研究では,これまでに情報発信手段として用いられてきた携帯電話,SNS,衛星電話を活用するのではなく,合成開口レーダーSAR(Synthetic Aperture Radar)衛星を用いて通信への独立性が担保された要配慮者の情報発信のための支援システムを構築した.提案を行ったシステムは,設置フェーズ,検出フェーズ,事前検討フェーズの3つから構成される.本研究では,要配慮者のニーズ発信ツールであるLANDEDの開発を行った.LANDEDはSAR衛星に観測可能な物体であり,使用者の手によってその形状を変更することができる.また,SAR得衛星は,その形状の差を識別することが可能である.LANDEDの形状の差をニーズの差として事前検討を行っておくことによって,要配慮者が発災後に自身のニーズに沿ったLANDEDを設置することでニーズ発信が実現する.
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