2022 Fiscal Year Research-status Report
複雑構造固体中の熱電輸送における量子拡散の第一原理計算と実験的検証,そして応用へ
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19K15274
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
北原 功一 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 電気情報学群, 講師 (70758036)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 複雑構造固体 / 熱電輸送特性 / 量子拡散 / 第一原理計算 / 実験的検証 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度以降、他業務の多忙のために本研究課題に対するエフォートを十分に確保できない状況が続いている。令和4年度は、年度当初に「科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)実施状況報告書(研究実施状況報告書)(令和3年度)」で報告したように、特に年度の前半に十分なエフォートを確保できない見込みであった。しかし、実際の状況は年度当初の想定よりもさらに厳しく、令和4年度を通じて本研究課題に対してほとんどエフォートを確保できなかった。そのため、補助事業期間の延長を申請した。 令和5年度も本研究課題の計画時の想定と比較して引き続き他業務の多忙が見込まれるが、現時点で本研究課題に対するエフォートを捻出しやすい状況を作ることができている。残された時間は短いので、着手する課題の優先順位を見直し、関連分野への貢献を最大化できるよう努める。実験検証については、当初は出来る限り多くの材料を評価する計画であったが、本質的な部分は令和2年度までの研究ですでに実証できていると考えられる。理論についても、まだ改良の余地はあるものの、現在の熱電材料分野での研究動向を踏まえると、令和2年度までに検討した理論でも十分に分野の発展に貢献できる内容になっていると考えられる。喫緊の課題は、その理論を使って第一原理的に熱電特性を計算できるようにすることであり、これを令和5年度の優先課題とする方針である。特に電子・フォノン散乱や、当初の計画には含まれていないが熱電材料で重要な不純物散乱の効果を取り入れた計算法を検討する方針である。 令和4年度に実施した研究の成果ではないが、本研究課題で令和2年度に発表した論文が評価され、日本熱電学会第十五回優秀論文賞を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究以外の業務の多忙によりエフォートを十分に確保できず、当初計画していた研究項目を実施できていないため遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究以外の業務の多忙により、当初計画していた全ての研究項目を実施することは難しい状況であるため、優先順位を見直して関連分野への貢献を最大化できるよう努める。
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Causes of Carryover |
研究以外の業務の多忙により、令和4年度に予定していた研究が実施できず、補助事業期間を延長し令和5年度に実施することとなったため。令和4年度の当初の計画の範囲内で使用する予定である。
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