2019 Fiscal Year Research-status Report
偏光イメージングによるナノ繊維複合材料の成形過程における流動誘起配向の計測
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19K15299
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐藤 大祐 新潟大学, 研究推進機構, 助教 (70778703)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | サスペンション / 繊維分散流体 / セルロースナノファイバー / 偏光イメージング / 流動複屈折 / 平面流れ |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は,偏光イメージング装置の開発,セルロースナノファイバー(CNF)分散流体(濃度は,0.5wt%,1.0wt%,1.5wt%)のレオロジー特性の計測を試みた。偏光イメージング装置は,市販の光学素子(右回りと左回りの円偏光板)と高速度カメラを組み合わせて開発した。また,カメラによって得られる光強度分布(動画像)から,流動複屈折を自動的に算出するソフトウェアも並行して開発した。これらの開発によって,CNF分散流体や高分子流体などの複雑流体における2次元流動複屈折場の計測が可能になった。さらに,本装置によって,CNFが凝集している箇所(濃度ムラ)を可視化することにも成功した。 続いてレオロジー特性として,定常せん断粘度,動的粘弾性(貯蔵弾性率と損失弾性率のひずみ・角周波数依存性)および流動反転時の過渡応答を測定した。その結果,定常せん断粘度は,非常に強いshear-thinning性(せん断速度に依存する粘度)を示した。一般に,繊維分散流体では,shear-thinning性が見られ,本研究で用いたCNF分散流体でも同じであった。また,貯蔵弾性率と損失弾性率の結果から,CNF分散流体は弾性の強い流体であることがわかった。流動反転をともなう応力掃引実験の結果から,流動再開後の応力掃引実験時のせん断速度の応答において,反転が有る場合と無い場合で異なる過渡応答が生じる事が確認された。この結果は,CNFの流動配向の変化が影響していると考えられるため,開発した偏光イメージング装置などを使った流動複屈折計測によって精査する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
偏光イメージング装置の開発および解析用ソフトウェアの開発を行った。CNF分散流体のレオロジー特性の測定はおおむね終了したが,流動反転時の過渡応答については,光学測定を行い,より詳細な検討を行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は,計画に従って,平面急縮小流れや平面急拡大流れにおけるCNF分散流体の速度場および繊維配向場について調べる。速度場については,添加したトレーサー粒子を追跡する一般的な手法により行う。繊維配向場については,開発した偏光イメージング装置を用いて計測を試みる。
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Research Products
(5 results)