2020 Fiscal Year Annual Research Report
偏光イメージングによるナノ繊維複合材料の成形過程における流動誘起配向の計測
Project/Area Number |
19K15299
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐藤 大祐 新潟大学, 研究推進機構, 助教 (70778703)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | セルロースナノファイバー / 繊維分散流体 / 偏光イメージング / 流動複屈折 / 平面流れ |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は,開発した偏光イメージング装置を用いて,平面急縮小および急拡大流れにおけるセルロースナノファイバー(CNF)分散流体(濃度は,0.5 wt%)の流動場と繊維配向場を調べた。流動場は,微粒子(直径約11μm)を分散させ,粒子を追跡し速度場を計測することで検討した。 平面急縮小流れ(上流部の流路幅: 2 mm,下流部の流路幅: 0.5 mm,流路高さ: 2 mm)では,縮小部近傍にて繊維が平均的に流れ方向に強く配向することがわかった。速度分布の結果より,縮小部に近づくにつれて加速流れが発生していることから,繊維の配向は縮小部近傍で生じる伸長流れによって生じていることが明らかになった。また,縮小部で形成した高い繊維配向は,下流域に進むにつれて平均的に低い繊維配向へと変化し,最終的にせん断流れ場で生じる繊維配向へと発達した。さらに,縮小部後からせん断流れにおける発達した繊維配向へと変化するのに要する距離は,流体の流量に依存しないことが明らかになった。 平面急拡大流れ(上流部の流路幅: 0.5 mm,下流部の流路幅: 2 mm,流路高さ: 2 mm)では,縮小流れとは異なり,拡大部後では繊維が流れ方向に対して直交方向に平均的に配向することがわかった。拡大流れにおける速度分布の結果より,この配向現象は減速流れ,すなわち負の伸長流れが要因であることが明らかになった。 以上の結果は,従来の高分子流体における配向現象とよく似ているものの,縮小流れや拡大流れで生じる繊維配向が再びせん断流れ場における繊維配向へと発達するまでの距離などは大きく異なることがわかった。今後は,流路形状,縮小比および拡大比などを変えたより詳細な検討が必要である。
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Research Products
(5 results)