2019 Fiscal Year Research-status Report
Effects of domain wall on diffusion of defects
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19K15310
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藪内 聖皓 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教 (70633460)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 格子欠陥 / 拡散 / 磁壁 / イオン照射 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、核融合炉構造材料である鉄系合金をターゲットに、照射損傷組織発達に及ぼす外部磁場の影響について明らかにすることである。核融合炉に使用される材料特有の劣化事象として、炉心プラズマから発生する高エネルギー中性子に曝されることによって材料特性が劣化する、いわゆる照射脆化が極めて重要である。照射脆化は、ミクロには金属結晶中の原子がビリヤードのようにはじき出されることにより形成した格子欠陥(またはその集合体)が熱拡散過程を経て最終的に粗大な欠陥を形成することにより材料が劣化する事象である。格子欠陥は拡散中に磁壁によってトラップされると考えられるが、その詳細については明らかになっていない。本研究では磁場閉じ込め核融合炉の構造材料をターゲットとし、照射欠陥の生成・成長過程に及ぼす外部磁場の影響について、実験・計算の両面から検討を行う。 1年目は、まず供試材の準備を行った。純Fe、純Mn、純Coをニラコより購入し、Fe-Mn合金、Fe-Co合金をアーク溶解炉を用いて作製した。その後の熱処理(均一化)、試験片への加工、残留応力除去のための熱処理を行った。作製した供試材を用いてイオン照射実験を行った。イオン照射実験は申請者が所属する京都大学エネルギー理工学研究所のイオン加速器DuETを用いた。今年度はまずは比較のために磁場を印加しない状態での照射実験を実施した。照射後の試験片は随時透過型電子顕微鏡観察を実施し組織観察を行った。また、次年度の反応速度論を用いた検討をスムーズに開始するため、計算環境の整備も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目は、まず供試材の準備を行った。純Fe、純Mn、純Coをニラコより購入し、Fe-Mn合金、Fe-Co合金をアーク溶解炉を用いて作製した。その後の熱処理(均一化)、試験片への加工、残留応力除去のための熱処理を行った。作製した供試材を用いてイオン照射実験を行った。イオン照射実験は申請者が所属する京都大学エネルギー理工学研究所のイオン加速器DuETを用いた。今年度はまずは比較のために磁場を印加しない状態での照射実験を実施した。照射後の試験片は随時透過型電子顕微鏡観察を実施し組織観察を行った。Fe-Mn合金では照射後微細な転位ループが高密度に分散していることがわかった。また、次年度の反応速度論を用いた検討をスムーズに開始するため、計算環境の整備も行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目は前年度に引き続き、照射実験と透過型電子顕微鏡を用いた微細組織観察を継続する。特に磁場を印加した状態での照射実験を実施し、磁場がある場合とない場合について、微細組織発達がどのように異なるかを明らかにする。実験による結果を踏まえ、反応速度論を用いた解析・検討を行い、照射欠陥の磁壁によるトラッピングについて、欠陥サイズ依存性や障壁エネルギーについて明らかにする。
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Causes of Carryover |
主に旅費の使用について、年度末に使用予定であった国内・国際会議が中止となったため、次年度に繰り越す。繰り越した分は、実験消耗品や装置利用料等に当てることで迅速かつ最大限の成果を得るために利用する。
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