2019 Fiscal Year Research-status Report
セラミックスの焼結及び金属とセラミックスの接合を一挙に達成する革新的鋳造プロセス
Project/Area Number |
19K15332
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
後藤 育壮 秋田大学, 理工学研究科, 講師 (10632812)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 焼結 / 酸化接合 / 焼結 / チタン酸バリウム / 純アルミニウム / 接合界面 / アルミナ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,金属の鋳造による成形と同時にセラミックスの焼結・金属とセラミックスの接合を行う革新的プロセスを実現することである.そこで今年度はまず,チタン酸バリウムの粉末の圧縮成形挙動に及ぼす粒径や加圧条件の影響,及び作製した圧粉体の焼結挙動に及ぼす保持温度や保持時間の影響について調査した.この際には,作製した圧粉体や焼結体の見かけ上の密度や空隙率を,寸法・重量の測定を通じて評価した.チタン酸バリウムは空気雰囲気の常圧下でも助剤なしで比較的容易に焼結可能であることが予想されたが,粒径約1μmの粉末では緻密な圧粉体や焼結体を得ることはできなかった.一方で,粒径約25nmのナノ粒子を用いた場合は,圧粉体の見かけ上の密度や空隙率は粒径約1μmの場合と同程度であったが,焼結の際には粒径約1μmの場合に比べ緻密化しやすい傾向が見られた.また,チタン酸バリウムと純アルミニウムを用いて試作した酸化接合試料を用い,チタン酸バリウムと界面に形成したアルミナの界面の結晶方位関係を後方散乱電子回折(EBSD)により調査した.その結果,チタン酸バリウムとアルミナの界面では,結晶方位の分布に関する関連性は見られなかった.さらに,同様に試作した試料を用い,接合界面近傍の元素分布をグロー放電発光分光分析(GD-OES)により測定した.その結果,アルミナと純アルミニウムの界面では,一部の不純物元素の含有率がその周囲より多い傾向が見られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
圧縮成形・焼結条件の確立に時間を要しており,今年度中に予定していたせん断試験による接合強度の評価の実施までは至らなかった.一方で,次年度に予定していたグロー放電発光分光分析(GD-OES)による接合界面近傍の元素分布の測定に関しては、試作した試料を用いて今年度中に実施することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
チタン酸バリウムの圧縮成形・焼結条件の確立に引き続き取組むとともに,焼結・純アルミニウムとの酸化接合を短時間で実施可能な条件の検討,及び接合強度の評価に取組む.
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